学校ブログ

子どもの学習とICT機器

 一年生担任がお休みをいただいて、ご心配をいただいております。

 その分、教頭、担外教諭、他学級担任(空き時間を利用して)などが交代で授業を行っています。23日の週には復帰予定です。ご理解とご協力をお願いいたします。

 その一年生が、先週ICT支援員さんのご協力のもと、クロームブックのアプリを使う練習をしました。

 写真を撮影して、それを共有フォルダに送信すると、ごらんのように、大型ディスプレイに一覧表示ができます。この機能は「協働学習」に適しています。個人がそれぞれ意見や考えを送信すると、全員の考えを提示することが容易なので、自他の意見の共通点・異なる点などを比較しながら、考えを深めることができます。ノートやワークシートにまとめるよりも、オープンな状態で思考を深めることができます。

 子どもたちの吸収力はたいしたものです。大人よりも、高い集中力と柔軟な思考力を発揮して、砂地に水をまくがごとしの勢いで操作を理解し、習熟していきます。ICTを学習に生かすには、操作に手間取っているようではかえってマイナスになります。ICT機器もノートも、学習の道具であり、手段です。手足のように使いこなしてこそ、学習の一助となります。子どもたちの思考を深めるのに、常に最適な手段を用いればいい。ICT機器は、目的適合的に使用するのが最も大切なことです。

 何事も、新しいものが導入されると、必ずマイナス要素が取り沙汰されますね。それは、未知のものへの恐怖や不安から生じるものだと思います。例えば、今から20年前、学校教育にコンピュータが導入された時もそうした批判がありました。まだ、学校全体でコンピュータが20台しかなく、コンピュータ室に鍵がかかっていた時代です(笑)。その頃、子どもたちにコンピュータを使わせるのに、社会一般にこんな批判がありました。

「コンピュータは冷たい感じがする。小学生の学習にはなじまず、豊かな心をはぐくむことができないのではないか。」

 当時、研修で情報教育を学ばせていただいていた私は、このご意見に反論しました。

「今、学校に導入されているコンピュータは20台です。一つの学級がコンピュータ室で学習するときは、二人で1台になります。子どもたちは、慣れないキーボードやマウスを相談しながら、教え合いながら使います。うまくいったり、学習の目的を達成できたときは笑顔がこぼれます。それを「冷たい感じがする」とは思えません。」

 今思えば、「なんだかなあ」という感じのやりとりですが、当時はきっと、真剣な心配だったのでしょう。あれから20年、ICT機器は生活に溶け込み、なくてはならないものになりました。それなら、大西先生がおっしゃっていたように、「心配だから使わせない」ではないく、「大人も子どもと一緒に勉強して、負の面に注意しながら、積極的に学習や生活に活用していく」が正解なのだと思います。

 その一方で、「スマホ脳」の著者 アンデシュ・ハンセンが警鐘を鳴らすよう「スマホはもっているだけで学力が低下する」とのこと。その有効な解決策である「積極的に身体を動かす」「運動を楽しむ」ことを忘れてはいけません。北谷小でも、休み時間の外遊びを推奨しています。よく学び、よく遊ぶ。最新のICTもいいですが、先達の教えは、やっぱり素晴しいですね(笑)。