学校ブログ

笑う 3年生消防自動車見学

 日中、よく晴れていましたが風が冷たかった~。3年生が消防自動車見学を行いました。昨年に引き続き、ご多用にもかかわらず吉川消防署南分署の方がお越しくださいました。

 「今日は、吉川消防署南分署の方が来てくださいました。ごあいさつをしましょう。」

「宜しくお願いします!」

 「こちらは大型の消防自動車です。中には、水が入ってます。」「あ、火を消すためだ!」「そうですね。何リットルぐらい水が入ると思いますか?」「うーん、10リットル?」「(笑)それじゃあ消せないですね。1500リットル入ります。」「えー?!」「いい反応をありがとう!」

「こちらは小型の消防自動車で、水は入っていません。」「えー?!」「その代わり、ボディが小さいので小回りが利くんです。狭い道にも、入っていけます。」「あーそうか!大きいと狭い道に入れない!」

 子供たちは興味津々で説明を聞いていました。

 一方図書室では、消防服体験を行いました。「消防服は、4~500℃の温度に耐えられます。でもそれは一瞬で、あまりに火力が強いようだと、私たちの命が危ないから、離れての消火になります。」

 小さな消防士さん、誕生です!

 「さあ、いろいろわかりましたね。では皆さんに聞きます。将来、消防士になりたい人!」2~3人の子供が手を挙げました。「これだけ?!じゃあ、将来ユーチューバーになりたい人!」「はーい!!」

「やっぱりそうかー!(悲)」

 「これが救急車の中です。ぼくは救急救命士の資格をもっています。もし、患者さんを運んでいるときに心臓がとまったときに備えて、AEDや、アドレナリン注射を置いているんですよ。これが本物です。」「えー!」

 その時、救命士さんの携帯電話にコールが入りました。「すみません、出動がかかりました。」子供たちが見送る中、救急車は現場に急行していきました。「いってらっしゃーい。」「がんばってくださーい。」そのあとの説明は、残った消防自動車の消防士さんがしてくださいました。

 「お忙しい中、ありがとうございました!」「さよーならー!」

 本物の救急車と消防自動車を間近で見た子も多く、また最前線で働く方のお話は真に迫ったものばかりで、子供たちも夢中になってお話を聞いていました。

 将来なりたい職業の人気ナンバーワンがユーチューバー、というのも時代の流れだと思います。かつて花形だったプロ野球選手、パイロット、声優さん、お花屋さんやケーキ屋さん等は、地上波テレビ等で盛んに取り上げられる花形職業ばかりです。子供たちがその活躍を目にする機会も多かったのでしょう。でも今は、子供たちが最も多く目にするメディアはYouTube等のSNSです。人気ユーチューバーにあこがれる子が多くなるのも、自然なことでしょう。

 今日、最後に消防士さんにこんな質問をしてみました。「消防士さんとして、一番大変だったことと一番うれしかったことは何ですか?」すると、こんなお話をしてくださいました。

 「一番つらかったのは、交通事故にあった15歳の少年の命が、目の前で消えていくときでした。彼のもっていたスマートフォンからは、彼女らしい女性の呼びかけの声がずっと続いていました。精神的に本当につらかった。うれしかったのは、ある職場で仕事中に心臓の急変で倒れた方が、無事職場に復帰された、といううれしいお話を聞いた時です。」

 ああ、この方は本当に人の命を救いたいという純粋な動機一つで、このお仕事を選ばれたのだろうな、と感銘を受けました。

 世の中には、メディアに盛んに取り上げられ、まぶしいスポットライトを受けるきらびやかな職業がたくさんあります。でも、そうしたスポットライトが一切当たらずとも、人の命を救うため、社会のインフラ基盤を整備するため、政治・経済を潤滑に行うため、昼夜を問わず働く大勢の方がいらっしゃいます。そうした尊いお仕事が、私たちの安全な暮らしを支えてくださるのです。そうしたたくさんの仕事のすばらしさを伝え、将来の「なりたい自分」を広げることが社会科の重要な役目だと考えます。

 今日は、人の命を救う消防という素晴らしいお仕事を子供たちに伝えることができました。吉川消防署南分署の皆様、本当にありがとうございました。