学校ブログ

50m走計測 順位じゃないよ 大切なのは一生懸命走りぬくこと 

 午前中は気持ちのよい青空が広がり過ごしやすかったのですが、午後からは曇り空が広がりました。明日はやはり、雨になりそうです。

 50m走の計測に取り組んでいる学級が多くなってきています。これから始まる新体力テストの基礎データや、運動会の準備のためです。走る前の子供たちは悲喜こもごも。それでいい。誰だって、最初から好成績を収める自信などもてないし、それがふつうだと思います。

 走り終わった子供たちは笑顔で「〇位だった!」と教えてくれます。「そうか、よくやった!すごいね!」というと、得意げな笑顔を返してくれます。中には、「おれ、だめなんだよなー。走っても、遅いんだもん。」という子もいます。そんな子には必ずこう返します。

「順位じゃないよ。全力で走りぬいた子はみんな立派だ。自分と誰かを比べることなんかない。頭をからっぽにして、全力で走れば、それでいい。」

 子供は一人一人が異なる才能や素質をもっています。筋力も、骨格も、運動能力も、生活習慣も異なります。よーいドン!で走って、速くゴールを駆け抜ける子は素晴らしい。走るのが得意ではないことを知っていて、それでも一生懸命ゴールまで走り抜ける子は、負けないぐらい素晴らしい。走る速さの順位という一つの物差しで、子供の価値を測ることはできないと思います。大切なのは、その過程を称賛し、努力をねぎらい、自信を育てることです。

 「子供は将来、厳しい競争社会に身を投じる。だから、小学校のうちから適度な競争を体験させ、負けない心を育てることが必要なんだ。」

 メディアに露出する、したり顔の論者がいう言葉の一つです。学力向上にも、体力向上にも、競争心が大切だと信じて疑わない。それはご自身が厳しい競争社会を生き抜いてきた自負と、豊富な人生経験が言わせるのかもしれません。

 でも私は、それよりも大切なことがあると思います。「たとえ足が遅くったって、それでいいんだ。最後まで一生懸命走りたい。自分ならそれができるんだ。」そう思える勇気、やればできるんだという自己効用感。それこそが、学校が育てたい子供の心です。子供を誰かと比べない。「あなたはあなた、素晴らしい存在。誰とも自分を比べる必要はない。何事にも自信をもって、ベストを尽くせば、それでいいよ!」

 そうした大人の言葉がけや接し方が、子供たちの自信と勇気を育てていくと思います。