学校ブログ

PTAおやじ会の皆様のご協力のもと「流しそうめん体験」を行いました

 5月の「飯ごう炊飯体験」に続き、PTAおやじ会の皆様のご協力のもと、「流しそうめん体験」を行いました。事前の打ち合わせで、新型コロナ感染防止についても十分話し合いました。

 おやじ会の皆様は、「子どもたちのために、安全対策に万全を期します。」と力強い表情でおっしゃってくださいました。そのお言葉のとおり、様々な面でご配慮をいただきました。子どもたちの手指の消毒の励行、人数の密を避けるための二部制での実施、スタッフの皆様の健康観察及びビニール手袋の使用や取り箸と食べる箸の分化など、細部にわたるまで防疫体制を徹底してくださいました。

 9時30分のスタートとともに集まってきた子どもたち。ぱらついていた雨も上がり、流しそうめん日和となりました。さっそくそうめんを流し始めると、そこにははち切れんばかりの笑顔が溢れました。

 子どもたちの喜びようといったらなかったです。朝早くから準備をしてくださったおやじ会の皆様も、終始笑顔で対応してくださいました。

「子どもたちの笑顔がみられてうれしいです。」

「今日一番のほうびが、子どもたちが喜んでくれたことです。」

とくちぐちにおっしゃっていました。本当に、皆様のご厚意と献身的なご努力に頭の下がる思いでした。

 そうめんを嬉しそうにほおばる子どもたちの傍らで、おやじ会の皆様方とお話ししました。

「こういう機会って、本当に貴重ですね。集まって、笑顔で流しそうめんを楽しむ体験は、子どもたちのかけがえのない思い出になって、豊かな心の育成につながると思うんです。」

「先生、そうなんですよ。今は残念なことに家で過ごすことが多くなっているけれど、SNSをやったりネット動画をみているだけじゃはぐくめない、大切なものがたくさんあると思います。」

「流しそうめんは、北谷小の伝統として永いんです。私も子どもの頃、お世話になりました。自分が大人になったら、今度は自分が子どもたちの笑顔のためにがんばりたいな、って思ったんです。そうした思いは、子どもたちに受け継がれていくと思います。今日は子どもたちの笑顔がみられて本当によかった。」

 ありがとうございます。本当に、そのとおりだと思います。私は、子どもたちの豊かな心の源の一つは、「郷土愛」だと考えています。

 おやじ会の皆様のお話を聴いて、ふと思い出したことがあります。話が飛んで恐縮ですが、私が福島県猪苗代町を訪れ、はじめて会津磐梯山の美しく雄大な姿をみたとき、白虎隊の悲劇を理解できたような気がしました。ああ、若い藩士たちは、この美しい故郷を命をかけて護りたかったのだろうな、と感じました。護るべき大切で美しい故郷がある。それは、私たちの心の根っことして、人生を力強く支えているような気がするのです。

 故郷の素晴らしさは、自然の美しさだけとは限りません。豊かな田園風景、心躍る文化と伝統、そしてそこに暮らす人々の心のぬくもり。それらすべてが、郷土に暮らす人々の心の根っこになると思います。今日、おやじ会の皆様が子どもたちに与えてくださった心のぬくもりは、ふるさと吉川の大切な思い出になり、子どもたちの心の礎になるのではないでしょうか。

 「国家の品格」で有名な藤原正彦先生は、「英雄は、美しい田園風景の中で育つ」とおっしゃいました。心から同意します。美しいふるさとは、子どもたちを立派にはぐくんでくれます。

 おやじ会の皆様、今日は子どもたちのために素晴らしい体験を与えてくださり、本当にありがとうございました。