学校ブログ

持久走練習 高学年試走

 昨日とは一転、日中は10月なみの陽気となりました。朝方、グラウンドは湿っていたのですが、午後からはコンディションが回復したので、午前中に予定していた高学年の試走を、6時間目に行いました。高学年の児童からすれば、試走には抵抗があったことでしょう。しかし、本番での安全性を高めるために、一度コースを走っておくことはとても重要です。子どもたちにとっても、走りの戦略を立てられるますから。

 それでも、多くの子どもたちが真剣な表情で、ゴールを目指し、立派な走りを見せたことはとてもよかったです。

 印象的な場面がありました。順位にとらわれることなく自分のペースで走り、最後まであきらめずゴールした子に、そこにいた児童みんなから大きな拍手が送られたことです。とても美しい、感動的な光景でした。改めて、持久走の練習を通して子どもたちに何を学ばせればよいのか、思いを馳せることができました。

 現代社会の高学年の児童は、情報の洪水に囲まれているので、大人とほぼ変わらない認知能力をもちます。自分が他人からどのようにみられているか細心の注意を払い、周囲から浮かないことに気を配ります。みんながみている前で、勝負に負けるなどはもってのほか。それは集団の中の地位低下につながるからです。だから、負けるかもしれない戦いは、上手に避けます。

 子どもたちのこうした行動は、現代社会に生きる大人の姿の鏡なのかもしれません。この時代に生きる子どもたちが、自然のうちに身に着ける処世術なのかもしれません。

 でも私たちは、与えられた課題や試練に一生懸命取り組む子どもを育てたいと思います。たとえ苦手なものでも、周囲が自分をどうみるかを過度に気にすることなく、泥臭く、粘り強く取り組む子どもに育ってほしいのです。これは軽佻浮薄を是とする現代社会の風潮に逆らうことかもしれません。「学校の常識は社会の非常識」といわれる所以かもしれません。

 けれど、今日目にした光景は、まぎれもなく努力した仲間に惜しみない賞賛を送る子どもたちの姿でした。救われる思いがしました。子どもたちには、結果にこだわることなく、全力で競技に臨んでほしいと思います。たとえ思い通りの結果が得られなくても、その貴重な経験が、自分を大きく成長させてくれるのですから。