学校ブログ

新体力テスト 子供の体力の低下について

 雨は降らなかったものの、ちょっとぐずついた曇り空が広がり、梅雨らしさが感じられました。でも業間・昼休みとも子供たちは元気に外で遊べました。

 運動会も終わり、学校では新体力テストに取り組んでいます。その様子を、おとどけします。まずは、6年生の体育館でのシャトル・ランです。記録を伸ばすために粘り強くがんばる男子児童を、女子が応援していた様子がとても微笑ましかったです。

 次は、運動場で50メートル走の記録を測定する3年生たち。みんながんばっていました。後ろで運動会の応援歌「ゴーゴーゴー」をうたって応援する子も。運動会、終わってるってば。

 このときはボール投げも同時に行いました。さあ思いっきり!といいたいところですが、ボール投げは肩の強さではありません。投げ方です。力むと地面にたたきつけてしまうことも。経験がものをいう種目なので、難しいです。

 体育館では、2年生が「反復横跳び」に取り組んでいました。数を数えるのは5年生です。「しっかりー!」「がんばってー!」と声援も飛び、それにこたえて2年生もがんばっていました。

 そして、立幅とび。記録をとるのがけっこう難しく、5年生も苦労しながら測定していました。ありがとう5年生、おかげで2年生は安心して取り組むことができたよ!

 御覧のように、子供たちは一生懸命練習や記録測定に打ち込んでいました。中には「校長先生、持久力をもっと伸ばしたいんだけどどうしたらいいですか?」と真剣な表情で聞いてきた子もいました。偉いなあ、と感心しました。

 結果については学校・市・県・全国単位で集計されるので、子供たちの体力向上のための課題が明確になります。課題となった体力については、教科体育で取り組ませたいところです。しかし、昨年度までできていた「業前運動」ができなくなったのは痛いところですが、工夫して行っていきたいと思います。

 新体力テストの統計結果が出るたびに、「子供たちの体力 30年前と比較して低下の一途」等と、新聞、テレビが悲観的に報道することがちょっと気になります。子供たちの生活スタイルや環境が30年前とは比較にならないぐらい変化しているのです。体力が低下傾向になるのは、当たり前です。

 私が子供のころは、公園や神社の木に夢中になって登って遊んだものです。そうして、握力や腕の力が鍛えられました。今、公園の木に登ったりしたら「危ないから降りなさい!」「なんてことするの!!」とたちまち叱られることでしょう。キャッチボールして遊ぶ子も少なくなっています。「公園でボールを扱わないでください」と注意書きがされている公園も多いのです。ボールがぶつかると、多くのトラブルが発生するためでしょう。子供たちがのびのびと運動し、体力を伸ばす機会と環境が少なくなってきています。

 仕方なく、子供たちは家でゲームをして遊びます。子供たちを責められるでしょうか。世の中の価値観や生活スタイルが大きく変わってきているのです。それなのに「30年前の子供に比べると、現代の子供の体力は低下の一方」という言い方はどうなの?と思ってしまいます。

 科学雑誌「NEWTON」の初代編集長、物理学者で東京大学名誉教授でいらした故 竹内 均先生は、著作の中で次のように述べておられました。

「子供たちの体力を高める最もよい方法は、トレーニングをすることでもスポーツを習わせることでもない。昔と同じように、野っぱらで転げまわって、楽しく外遊びをさせることが一番です。」

 まったく、その通りだと思います。子供たちの体力が低下しています、学校や家庭、地域で連携して一層努力しなさい、なんて誰だってわかってます。その前に、子供たちがのびのび遊べる環境を整備し、社会全体で機会を保障することが大事なんじゃないか、と考えます。新聞・テレビがそっちにも目を向けてくれるといいな・・・なんて思ったりもします。

 御覧のように、北谷小の子供たちを含め、日本の小中学生たちはみんながんばっています。保護者の皆様も、子供たちを遊ばせたり、時間をやりくりしてスポーツを習わせたりして、体力向上に努めてくださっています。そういうことを、新聞・テレビ等の報道で、もっとアピールしてほしいですね(笑)。