学校ブログ

うれし泣き かけ算九九テスト つまずく体験 そして一丈の堀を越えたくば、一丈五尺を越えんとせよ

 休み時間、職員室うしろのテーブルに集まる2年生。面接官のように対応する校長・教頭。さて、何をしているのでしょう。2年生の「かけ算九九テスト」、最後の関門です。

 「三一が三、三二が六、三三が九・・・」子供たちの一生懸命なチャレンジが続きます。

 「宜しくお願いします。」「よし、じゃあ始めよう。そこの席に座って・・・。」

 ドキドキの瞬間です。

 かけ算九九は、3年生以降のすべての学年の算数の基本です。かけ算九九でつまずくと、わり算の理解が困難になります。

 そのため、敢えて合格を出さないことがあります。「よくがんばった。でも〇の段でつまずきがあったね。もう一度、練習してきてごらん。あなたなら、もう一度挑戦すれば、絶対に大丈夫。明日待っているよ。」と声掛けをして、再度練習を促します。

 一度で合格できず、涙ぐむ子もいました。でも、ここは敢えて、簡単には合格を出さないようにしています。それは、二つのことを学んでほしいからです。

 一つは、つまずいたところから、再度挑戦するしなやかで強い心を身に付けてほしいということ。失敗や挫折は、貴重な人生の財産です。そして、これから生きていく上で失敗や挫折を避けることはできません。そんな時、「あの時も一度では合格できなかったけれど、もう一度、落ち着いて挑戦すれば大丈夫!」という経験から得た学びが生きるのです。

 詩人の相田みつをさんは、「柔道の基本は受け身。まず、転ぶ練習、叩きつけられる練習からすべてが始まる」と述べておられました。一度や二度のつまずきではへこたれない。そうしたしなやかな姿勢こそ、「やりぬく心」です。

 もう一つ。「練習ではできていたんだけれど・・・。」とつぶやく子もいます。それも、当然のことです。浄土宗開祖の法然聖人の言葉です。「一丈(3m)の堀を乗り越えんとする者は、一丈五尺(4.5m)を越えんと励むべし」。

 私はこれを、「練習で4.5m跳ぶことができて、はじめて本番で3m跳ぶことができる」と解釈します。練習と本番では、まるで条件が異なります。会場の雰囲気も、緊張の高まり具体も。練習で4.5m跳べる実力があって、はじめて本番で3m跳ぶことができるのです。それを、子供たちに経験として学んでほしいと思うのです。練習はうそをつかない。努力は裏切らない。だから、がんばれ2年生!

 それにしても2年生の担任の先生は私たちのテストを「ラスボスを倒そう」といっていたようです。私ら、マリオのクッパとかストリートファイターのベガ扱いですか?