学校ブログ

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大谷選手からのメッセージ 夢は大きく 目標は小さく

 ついに本校にも、「大谷翔平グローブ」が1月中旬に届きました。満を持して、今日の2月の全校朝会で子供たちに紹介しました。

 はじめに、長縄練習について話をしました。

「長縄練習をするにあたって、お願いがあります。誰かが失敗しても決して責めず、みんなで励まし合いながら記録を伸ばしてください。ちょっとでも記録が上がったら、みんなで喜んでください。まず、大きな目標を立て、そこから小さな目標をつくり、少しずつ実現していくことがとても大切です。」

「ここで皆さんに見せたいものがあります。6年生代表児童の皆さん!」

「はい!」二人の児童が立ち上がり、司会の先生からグローブを手渡され、「いくぞー!」とキャッチボールを始めました。二人はとても上手で、子供たちからは「おー!」「上手ー!」と歓声が上がりました。

 「ありがとう。二人とも、壇上に上がってください。」「はい!」

 壇上に上がった二人が、グローブを全校児童に掲げました。

「このグローブを、送ってくれたのはだれか皆さん知ってますかー!?」全校児童が、勢いよく答えました。

「大谷 翔平選手ー!!」

「その通りです!メジャーリーガー大谷選手が、北谷小にもグローブを送ってくださいました。添えられていたメッセージを読み上げます。

 この三つの野球グローブは学校への寄付となります。それ以上に私はこのグローブが、私たちの次の世代に夢を与え、勇気付けるためのシンボルとなることを望んでいます。それは、野球こそが、私が充実した人生を送る機会を与えてくれたスポーツだからです。

 野球しようぜ。大谷 翔平」。

 6年生代表に全校で拍手を送ったあと壇上から降りてもらい、話をつづけました。

「大谷選手が野球を始めたのは小学校2年生の時です。野球に夢中になった大谷選手は、リトルリーグに入り、大活躍しました。中学校でも野球部に入りましたが、中1の時は時速105キロのボールを投げていたそうです。将来プロになるために、中3までに時速120キロのボールを投げようという目標を立てた大谷選手は、そのために1年で5キロずつ球速を上げていこうと考え、そのために具体的なトレーニングを消化していきました。大谷選手こそ、大きな夢をもち、そして小さな目標を達成していった人だったのですね。

 このグローブは、各学級に回します。先生の指導のもと、キャッチボールに使ったり、クラブ活動で使うこともOKです。このグローブに触れ、大谷選手からいただいたメッセージ、夢をもつことの大切さについて思いを巡らせてみてください。」

 夢は大きく、目標は小さく。始業式の時から、子供たちに言い続けてきたことです。大谷選手のメッセージとともに、未来へ大きな目標をもち、それに向かって努力することの大切さを子供たちに改めてかみしめてほしいと思います。

 大谷選手、素晴らしいメッセージをありがとう!

入学説明会を行いました

 今日もとても寒い日になりました。吹きすさぶ風が一層体感温度を下げ、外に出ると凍えるようでした。でも子供たちは元気そのもの。寒風の中、元気に遊ぶ子供たちに「よく寒くないねえ」というと、「子供は風の子ですぅー!」と諭されてしまいました(笑)。

 入学説明会を行いました。まず、校長からご挨拶を申し上げました。「令和6年度は、本校にとって50周年となります。お子さんは記念すべき年に入学されます。」

 続いて、主幹教諭がスライドを使って、学校の概要を説明しました。

 1年生担任から、もちものの準備等についてお伝えしました。

 お忙しい中、PTA役員の皆様にもご協力をいただきました。ありがとうございました。

 最後に、学習用具をご購入いただきました。

 計算してみると、4月8日のご入学まで今日を入れてあと75日間となります。こうして数字で表すと、ずいぶん短いように感じます。その間、入学のご準備を進めてくださるようお願いしました。

 新入児童の保護者の皆様、今日はお忙しい中、そして寒い中お越しくださり、本当にありがとうございました。お子さんのご入学を心よりお待ちしております。

三郷特別支援学校との交流学習

 朝、寒風が吹きすさびどうなることかと思いました。午前中は少し風が和らいだものの、午後からはまたも強風が吹き荒れ、子供たちも下校が大変だったと思います。

 三年生が、三郷特別支援学校の皆さんと交流学習を行いました。教科と単元は体育の跳び箱です。

開脚跳びや台上前転に果敢に取り組む子供たち。がんばっていました!

 交流に来たお友達も先生の見守りのもと、よくがんばっていました。北谷小の子たちも「がんばれー」「いいよー」の声援を送っていました。

 活気にあふれる雰囲気の中、練習にはどんどん勢いが付いて、今まで跳べなかった高さを跳べる子もたくさん出ました。

 片付けも、一緒にスムーズに進めることができました。

 3年生の子供たちは、純真な心でどんな仲間も何の屈託もなく受け入れてくれます。そうした世代のうちに、様々な人と楽しく豊かな交流をさせ、望ましい人権意識をもたせることはとても大切なことです。三郷特別支援学校の皆さんも、楽しんでくれたようで、とても価値ある学習になりました。

 三郷特別支援学校の皆さん、大変ありがとうございました。またいらっしゃる機会を楽しみに待っています。

 

ICT活用と漢字書き取り

 朝の冷え込みが一段と厳しかったです。日本海側では今年一番の寒波が到来し、被災地の能登半島も厳しい状況とのことです。現場では災害救助と復旧作業が必死の努力のもと進められています。本当に頭が下がります。

 一年生が、「あいうえお」の画面入力に一生懸命取り組んでいました。先生から次々に送られてくる課題を楽しみに、「できましたー!」「先生、次は何ですかー?!」のやる気ある声が響き渡りました。教室が活気にあふれていました。

 4年生は総合的な学習で、日本中の地域の特色ある食べ物について調べていました。「千葉県の特産品って、なんだっけ?」「長崎はカステラかちゃんぽんだろー。」とても楽しそうに、話し合いながら調べ学習を進めていました。4年生にもなると、ICT機器を使いこなすようになります。こちらも、活気ある授業でした。

 一方、5年生は漢字の書き取り練習を進めていました。一人一人が字の間違いや書き順に気を付けながらノートに真剣な表情で書き取りを行い、先生に〇をもらうとほっとした表情を見せていました。1年・4年とは異なり、しーんとした緊張感が教室を支配する雰囲気でした。

 GIGAスクール構想により一人一台配付されたICT端末。その活用が、全国の公立小・中学校で推し進められています。子供たちの吸収力は相当なもので、砂地に水を撒くようにあっという間に吸収してしまいます。

 ただ、漢字書き取りのようなアナログ学習もとても大切です。アメリカノースカロライナ大学心理学分野の研究での実験です。アラビア語のアルファベットを知らない成人に「映像視聴」「手書き」「タイピング」の学習群に分け、習熟の定着率や速さを比較したところ、定着率が最も高かったのは「手書き」でした。手書きで文字を書くことがいかに脳によい影響を与えるかを物語っています。

 いずれ子供たちのノートは、「紙と鉛筆」から「電子ノートとスライタスペン」といった電子デバイスに置き換わることでしょう。それでも、「手書き」の機能をもつICT機器が消えることはないでしょう。

 いってみれば、漢字の読み書きは野球で例えれば「素振り」や「ランニング」といった基礎練習、ICT機器を使った調べ学習は「試合」にあたる応用学習といえると思います。どちらも、子供たちの学力向上のために必要です。

 基礎・基本の積み重ねをしっかり行い、そこで身に付けた力が発揮できる活用の場を設け、成果を発信する。活用の場で力不足を感じたら、また基礎に戻って必要な力を付ける。これこそが、学習の好循環です。

 ちょっと気になるのが、クロームブックの忘れや、鉛筆、消しゴム等の忘れや紛失等道具の不備です。道具を疎かにするもの、大成ならず。子供たちの忘れ物が減るよう、引き続きお声がけをお願いします(笑)。

長縄練習 がんばります!

 昨日、今日と温かい日が続きます。今、体育では各学級で長縄練習を始めています。今日は、2年生の練習の様子をみることができました。

「さー長縄練習、はじめるぞー!」

「跳べたら、みんなで『オッケー!』の声を送ろう!」

「よっし、今だ!」「やったー!」

「協力して、がんばるぞー!」

 子供たちは楽しそうに練習に励んでいました。

 長縄練習は、とてもよい運動です。体力、敏捷性の向上はもちろん、望ましい人間関係の醸成につながるからです。

 まず、記録の向上に過度にこだわりすぎず、みんなで協力して、記録の伸びを喜び合うこと。例え跳べなくでも一切責めず、今日2年生がしていたように跳べたら拍手を送ること。最も大切なのは、回し手の役割です。長縄は、「つっかえる子が悪い」ではありません。回し手が「跳べない子も跳ばしてあげる」ことが笑顔の秘訣なのです。

 回し手は最初、機械的に長縄を回します。そんな子供たちに「跳べなかったらその子が悪い、じゃなくて、うまく縄を調整して跳ばしてあげるんだよ。」と教えて、跳び手の足元に注目させます。長縄のポイントの一つは、素早く縄の回転の中に入って、「最も縄が低い位置で跳ぶ」=縄の真ん中付近で跳ぶということです。でも、苦手な子は焦ってしまうので、「待っている位置」からすぐ跳ぼうとするので、結果として「縄が最も高い位置」付近でジャンプし、つっかえてしまいます。回し手はそれを理解したうえで、苦手な子が縄に入るタイミングに合わせて回転を遅らせ、「跳ばせてあげる」。そして跳んだ子の手柄にすることがいいのです。

 昨日も凧揚げのよさについて書きましたが、長縄にもこうした素晴らしい点があります。

 現代社会の商業主義は、最新のトレンドを採り入れ、流行が移り変わっていきます。流行らなくなり忘れ去られた遊びも数多い。でもその中に大切なものがたくさん散りばめられていると思います。

 長縄を通じて、子供たちの心と体を育てていきたいと思います。

たこたこ上がれ 元気に上がれ

 日中は日差しに暑さを感じるほどでした。午後4時を過ぎても陽が伸びて、季節が進んでいることを感じます。

 1年生が生活科で凧揚げに挑戦しました。子供たちは大喜び。校庭に歓声が響き渡りました。

わあい、上がった上がった!

 みてみて!校舎より高く上がったよ!

 わあ、速く走ると高く上がるぞ!走れ走れ!

 雲が切れ、青空が顔をのぞかせました。白い凧がブルースカイに映えました。

 校庭が大歓声に包まれました!

 現在、凧はほとんど見かけることがなくなりました。原因は様々で、それも時代の流れだと受け止めざるを得ません。でも、凧揚げという遊びの魅力は、決して色あせていません。それどころか、2024年の子供たちの遊びより、はるかに優れた要素をたくさんもっているのではないか、と思います。その証拠に、今日1年生は満面の笑顔で元気に校庭を走り回り、嬉しそうに歓声を上げ、大空に舞う凧の雄姿に喜びを感じていました。

 朝、登校指導をしていると、熱心にゲームのことを教えてくれる子がとても多いです。子供たちの大半が、ゲームに夢中です。それは子供たちが悪いのではなく、時代の潮流です。でも、今日子供たちが行った凧揚げは、ゲームに負けない素晴らしい喜びを子供たちに与えたと確信します。

 古きよき時代から連綿と受け継がれた日本の伝統遊び。その中には、現代の教育問題、子供たちの成長にかかわる多くの問題を解決してくれる、大切なものがたくさん散りばめられているのではないかと思わずにはいられません。

 このことをきっかけに、改めて子供たちに昔の遊びのよさ、素晴らしさを味わってほしいと思います。

今日の授業風景

 今週の月・火は凍えるような寒さで、日本海側に大雪が降ったせいで関東地方には冷たい風が吹き荒れる天気でした。今日は打って変わって温かく、三月並みの陽気だとか。

 運動場では、4年生がラインサッカーで体を動かしていました。温かさも手伝って、どのチームも楽しそうにがんばっていました。

 教室では、1年生が算数の授業で全力疾走していました。各自、課せられた課題を一生懸命解いて、できると満面の笑顔で「できたー!」とみせにきてくれます。

 後ろでは、教育支援員の寺山先生が〇を付けてくださっています。教育支援員制度、不定期ですが本当に助かっています。算数に一生懸命取り組む1年生に必要なのは、ICT機器のディスプレイに示される情報ではありません。必要なのは、子供たちに声を掛け、悩む子を励まし、できたら大きな丸を付けて「よくできたね!」と称賛する温かみある指導者の笑顔です。国は、教員不足で悩む各地の公立学校に対して、DX(デジタルトランスフォーメーション)での支援を打ち出していますが、そうではありません。必要なのは、人の手です。

 担任が個別に丁寧に教えて学習内容の理解を図り、その間、もう一人の指導者ができた子の回答をチェックし称賛する。こうした二人体制が、子供たちを安心させます。

 午後は、5年生が体育館で合同授業を行いました。図工の「同じものいっぱい」という単元で、子供たちの実態から、新聞紙を使って大胆に、ということを狙いにグループでそれぞれつくりたいものをイメージして、協働で作品づくりに取り組みました。これが素晴らしかった!子供たちは実にイメージ豊かに、ダイナミックな作品をつくりあげたのです。

 スカイツリーやかわいいパンダ、テントや住みたい家、車に大型スピーカーなどなど。「月が見える望遠鏡」として、本当にのぞける望遠鏡と、ミニチュアの月の組み合わせというアイディアには鳥肌が立ちました。なんという想像力!新聞紙という素材は、平面も細い棒状の骨組みをつくることができるので、子供たちのイメージを拡大させるのに大いに役立ったようです。つくりあげた作品は、互いにアピールポイントを発表して、鑑賞しあって、惜しみつつ作品を片付けました。いやー、子供たちのイマジネーションは、本当に大したものです。新聞紙という身近な素材から、ここまでイメージ豊かに作品をつくりあげるとは!

 思うに、大人は現実ばかりに増え、どんどんイメージ力を失っていっているのかもしれません。その分、子供たちの想像力が輝いて見えるのかも・・・なんて思ってしまいました。子供たちの想像力は本当に素晴らしい。その力を解放する機会をもつが重要ですね。5年生、素晴らしい!

不審者対応避難訓練を行いました

 事情により、ホームページ更新をしばらくお休みして申し訳ございませんでした。本日より、更新を再開したいと思います。

 本日、不審者対応避難訓練を行いました。今年度は吉川警察署生活安全課の皆様のご協力をいただき、不審者役や全校児童への安全指導、職員のさすまた訓練などを行っていただきました。

 2校時、訓練開始。不審者役の小池巡査が2年2組に侵入しました。担任が対応する間、子供たちは素早くベランダから隣の教室に避難しました。

 職員からの連絡を受け、職員室はすぐに警察署に通報。その後暗号の校内放送を掛け、聞きつけた職員は「さすまた」をもって教室に駆け付けます。目的はあくまでも不審者の足止めをすること。警察官が現着するまでの時間稼ぎとなります。

 子供たちは誘導役の職員に誘導され、体育館に避難。万が一にも不審者が侵入できないよう、内側からカギを掛けます。訓練は、警察が現着し、不審者が確保されたとの想定のもと、校内放送を掛け、警戒を解除しました。

 その後体育館に集合した児童に、不審者役の小池巡査からご指導をいただきました。「避難は、とてもスムーズでした。大切なことは『いかのおすし』です。皆さん、先生方のご指導を守って、大切な命をまもってください。」「はい!」

  避難訓練終了後、職員が体育館に残り、小池巡査にさすまたの使い方についてご指導いただきました。「さすまたは、相手の眼もとに浮き出して牽制してください。大切なのは、距離をとることです。」さすが現役警察官、とても勉強になりました。

 子供たちには、次のように話しました。

「今日の避難訓練はとてもスムーズだったけれど、それは『訓練だから』という心の余裕があるからかもしれません。もし本当に刃物をもった不審者が校内に侵入してきたら、みんなパニックに陥って、廊下・階段を大慌てで走ってしまうかもしれない。階段で接触して、滑り落ちたりしたら、不審者に傷付けられるよりおはるかに大きな被害になります。今日先生方から教えてもらった避難ルート、避難の仕方をいつも頭に入れて、落ち着いて行動してください。」

 今月2日起きた羽田空港の日航機火災事故も、379名の乗客が全員脱出できたのは乗客が過度なパニックに陥ることなく乗務員の指示に従ったからです。改めて、避難訓練の大切さが明らかになりました。子供たちが今日の訓練で落ち着いて避難できたことは収穫でした。

 それも、吉川警察署生活安全課の皆様のご指導のおかげです。大変ありがとうございました。

 

 

 

係活動と当番活動のちがい

 新学期2日目となりました。各学級で、日常が戻ってきています。漢字練習を行ったり、6年生は卒業文集の制作に取り組んだり。お正月ののんびり気分は吹き飛び、あわただしい学校生活が戻ってきました。

 各学級で共通して行われていたのが係・当番決めです。子供たちから出された係を先生が希望者を募り、数を調整しながら新学期の係が決まっていきました。

 係と当番は、混同されることがあります。この二つは、似て非なるものです。当番活動は、学級で決められた仕事を行うものです。係活動は、自分たちで活動を考え、実践します。ここが大きな違いです。

 低学年のうちは、責任感をはぐくために「一人一役」として、黒板係、電気係、窓閉め係など、仕事が決まった役割を割り当てていく場合が多いのですが、中・高学年ではそうせず、活動に自分たちの創意工夫を取り入れることができる係を決めます。従って、「黒板係」「窓閉め係」などはありません。その代わり、「生き物係」「保健係」「掲示係」「遊び係」などがあるわけです。

 係活動は、子供たちの「望ましい勤労観」をはぐくむためにとても大切です。係活動の内容を決めるにあたって大切なのは、学級のプラスになる活動になることです。例えば「遊び係」は、自分たちのやりたい遊びを決めるのではなく、「男女分け隔てなく遊べて、クラスの仲がよくなる遊び」を計画します。その過程で、子供たちの行動力や創造力、コミュニケーション能力等がはぐくまれていきます。

 私は担任のとき、この係活動をとても大切にしました。自分たちの行った係活動が、学級の笑顔につながる手ごたえを得られるからです。子供たちは、「みんなのためとを思って実践すると、喜んでもらえるんだ。」と実感し、どんどん創造的なアイディアを出していきます。それが学級の活力につながり、クラスがよい方向へ進んでいくことが多いのです。学習指導要領においても、子供たちの望ましい人間関係を醸成するうえで、特別活動がとても大切なことが強調されています。

 しかし2002年より、そうした係活動に注力できなくなったという実感があります。学校五日制が導入されたからです。それまで比較的とれた学級の裁量時間はほとんどなくなり、教育活動がとても窮屈になりました。折しもOECD国際学力調査で日本の順位が下がり、ゆとり教育が激しく非難される「PISAショック」が重なり、学力向上が最重要課題となりました。学習内容が増え、教科書が分厚くなっていきました。

 学力向上は大切です。国を挙げて学力向上に取り組んだ成果の一つとして、2022年に15歳を対象としたOECD学力調査の結果があります。日本は「読解力」「科学的応用力」「数学的応用力」の3分野で世界トップを維持しました。一方、学力は希望の大学への入学や職種に就くには必要ですが、それ以降、組織の中で働くためには「行動力」「創造力」「コミュニケーション能力」等、目にみえない学力の方が大切になることは、多くの方が理解されていると思います。ベネッセコーポレーションの2018年の調査では、保護者が教育改革に何を望むかという質問に対して、「高校・大学入試で知識以外の力を重視してほしい」という項目が2番目に要望が高い結果となりました。

 3学期はじめに、みんなで話し合って決めた係活動。忙しい中ですが、クラスの笑顔を増やすために、子供たちには活動にやりがいともって取り組んでほしいと思います。 

令和6年 第3学期始業式 どんな成人を目指すのか

 令和6年第3学期がスタートしました。子供たちがみな、元気に登校してきてくれたことにとても安心しました。保護者、地域の皆様、冬休み中の子供たちの安全の見守りにご配意いただき、ありがとうございました。

 1時間目に始業式を行いました。校長講話では、次のように話しました。

「3学期は、53日間しかありません。とても短い学期になります。1年間のまとめと、次年度の準備をするために、健康に気を付け、一日一日を大切に過ごしましょう。」

 また、能登半島地震や、羽田空港の火災事故に触れ、災害はいつどんな時に起きるかわからない。だから日頃より、先生方やおうちの方に指導されている交通ルールや、学校における避難訓練の約束や避難の仕方をしっかり守り、いざという事態が起きたら冷静に対処することが大切だと伝えました。

 子供たちは、しっかりした姿勢で話を聴くことができました。

 3年生の代表児童が、新学期の目標について発表しました。言葉に気を付け人を傷付けないようにすること、漢字練習や時間を守るなど、新学期にがんばりたいことを自分の言葉で立派に述べてくれました。

 17日ぶりに全校児童で歌う校歌も、体育館にきれいに響きました。

 生徒指導主任の片野先生が、1月の生活目標について指導しました。あいさつは、コミュニケーションの第一歩。先生方にも、友達にも、おうちの方にも、地域の方にも元気にあいさつをしていきましょう。ご家庭でも、お声掛けをお願いします。

 各学級では、先生方が心を込めて描いた「黒板アート」が子供たちを出迎えました。午前中3時間と時間が短かったので、子供たちは冬休みの課題を提出したり、新学期の目標を決めたりと、忙しそうでした。

 そして11時20分。一斉下校で校庭に集合し、登下校の安全ルールを確認しての下校となりました。あっという間に、半日が過ぎていきました。

 今日の校長講話では、子供たちにもう一つ、話を伝えました。

「昨日の祝日は何の日だったか知っていますか。そう、成人式です。成人の年齢はいくつでしょうか。そう、18歳です。法律が146年ぶりに改正され、成人年齢が18歳に引き下げられました。でも、お酒やたばこは20歳から。ちょっと、わかりにくいですね。 

 なぜ法が改正されたのかというと、選挙が大きな理由の一つです。超高齢化社会といわれる日本では、政治も高齢者優先の政策になりがちです。それはよくない、もっと若者の声を政治に生かそうということで、選挙年齢が引き下げられました。それに伴う権利や義務も18歳に下げないとおかしい、ということで成人の年齢が18歳となりました。今高校2年生の人は、高校3年生になって、誕生日が来た順に成人になります。

 18歳は、社会的には立派な大人とみなされます。大人は、自分のことを自分でやる力を身に付けておくことが大切です。学校での勉強は、すべてそこにつながります。逆に、やるべき勉強を怠けていると、自立のための力が付かないまま大人になってしまいます。

 6年生は、あと6年で成人です。みなさんが学校でがんばっている勉強も学校行事等の経験も、すべて将来立派に自立することにつながります。短い三学期、一日一日を大切にして、勉強や運動、行事などに一生懸命取り組んでいきましょう。」

 テレビなどのメディアは面白がって、「荒れる成人式」、ド派手な格好をして「目立てばいい」とばかり、バイクに乗ったり酒をラッパ飲みしたりする新成人の映像を盛んに茶の間に流します。私は子供たちによくない影響を与えるのでやめるべきだと思っています。18歳は、選挙権などの権利を手にしますが、同時に社会の構成員となる義務と責任を負います。そこから、好きな道を選び、目標に向かって歩んでいけばいい。勉強は、将来の自己実現を図るために行うものです。

 長文になり申し訳ございませんが、校長の思いを綴りました。なぜ、勉強しなけばいけないのか。それは、将来立派に自立するための力を身に付けられるからです。三学期も、子供たちにそうした力を付けるため、職員一同努力してまいります。令和6年も、宜しくお願いいたします。