学校ブログ

2023年1月の記事一覧

子どもの学習とICT機器

 一年生担任がお休みをいただいて、ご心配をいただいております。

 その分、教頭、担外教諭、他学級担任(空き時間を利用して)などが交代で授業を行っています。23日の週には復帰予定です。ご理解とご協力をお願いいたします。

 その一年生が、先週ICT支援員さんのご協力のもと、クロームブックのアプリを使う練習をしました。

 写真を撮影して、それを共有フォルダに送信すると、ごらんのように、大型ディスプレイに一覧表示ができます。この機能は「協働学習」に適しています。個人がそれぞれ意見や考えを送信すると、全員の考えを提示することが容易なので、自他の意見の共通点・異なる点などを比較しながら、考えを深めることができます。ノートやワークシートにまとめるよりも、オープンな状態で思考を深めることができます。

 子どもたちの吸収力はたいしたものです。大人よりも、高い集中力と柔軟な思考力を発揮して、砂地に水をまくがごとしの勢いで操作を理解し、習熟していきます。ICTを学習に生かすには、操作に手間取っているようではかえってマイナスになります。ICT機器もノートも、学習の道具であり、手段です。手足のように使いこなしてこそ、学習の一助となります。子どもたちの思考を深めるのに、常に最適な手段を用いればいい。ICT機器は、目的適合的に使用するのが最も大切なことです。

 何事も、新しいものが導入されると、必ずマイナス要素が取り沙汰されますね。それは、未知のものへの恐怖や不安から生じるものだと思います。例えば、今から20年前、学校教育にコンピュータが導入された時もそうした批判がありました。まだ、学校全体でコンピュータが20台しかなく、コンピュータ室に鍵がかかっていた時代です(笑)。その頃、子どもたちにコンピュータを使わせるのに、社会一般にこんな批判がありました。

「コンピュータは冷たい感じがする。小学生の学習にはなじまず、豊かな心をはぐくむことができないのではないか。」

 当時、研修で情報教育を学ばせていただいていた私は、このご意見に反論しました。

「今、学校に導入されているコンピュータは20台です。一つの学級がコンピュータ室で学習するときは、二人で1台になります。子どもたちは、慣れないキーボードやマウスを相談しながら、教え合いながら使います。うまくいったり、学習の目的を達成できたときは笑顔がこぼれます。それを「冷たい感じがする」とは思えません。」

 今思えば、「なんだかなあ」という感じのやりとりですが、当時はきっと、真剣な心配だったのでしょう。あれから20年、ICT機器は生活に溶け込み、なくてはならないものになりました。それなら、大西先生がおっしゃっていたように、「心配だから使わせない」ではないく、「大人も子どもと一緒に勉強して、負の面に注意しながら、積極的に学習や生活に活用していく」が正解なのだと思います。

 その一方で、「スマホ脳」の著者 アンデシュ・ハンセンが警鐘を鳴らすよう「スマホはもっているだけで学力が低下する」とのこと。その有効な解決策である「積極的に身体を動かす」「運動を楽しむ」ことを忘れてはいけません。北谷小でも、休み時間の外遊びを推奨しています。よく学び、よく遊ぶ。最新のICTもいいですが、先達の教えは、やっぱり素晴しいですね(笑)。

不審者対応 避難訓練を実施しました

 今日も朝は冷え込みましたが、日中は校庭で楽しく遊べるほどの気温になりました。でも鉄棒や登り棒は冷たいので、遊んでいた子どもたちが「手が冷た~い!!」と悲鳴を上げていました(笑)。

 2校時に、不審者対応避難訓練を実施しました。不審者が東昇降口から侵入し、階段を上がってすぐの2年2組に侵入する想定です。不審者役は、子どもたちの登校の見守りでお世話になっている交通指導員さんにお願いしました。

 子どもたちが過度にびっくりしないように、2時間目に後ろのドアから不審者が入ってくることについて、事前に予告しておきました。

 時間になり、ドアがバーンと開いて、不審者の登場です。「この学校の先生と子どもたちに、言いたいことがあるんだよ!あのさあ!!」迫真の演技、ありがとうございました。

いきり立つ不審者に、担任は子どもたちに避難指示を出してから冷静に対応します。「はい、お話うかがいます。」

 担任が対応する間、子どもたちは事前に指示されていた避難出口のベランダから、安全な場所に避難します。

 騒ぎを聞き付けた男性教諭が、教室に駆け付けます。それを見計らって、担任の先生も隣の教室に移動しました。そして教室のインターフォンから職員室に非常事態を連絡しました。職員室にいた教頭先生は、全校児童に避難を呼びかける放送を流したのち、110番通報をしました。校内放送は、子どもたちの避難先が不審者にわからないよう、暗号を使って行います。

 男性の先生が不審者と対峙している間、女性の先生は内側から鍵がかかる図書室に子どもたちを避難させました。さらに、入り口には不審者が入ってこられないよう机でバリケードを築きます。

 男性の先生方は、各階に置かれた「刺股」を使って不審者を確保し、警察の到着を待ちます。はい、これで訓練終了です。お疲れさまでした。

 以上のような手順で、避難訓練を行いました。交通指導員さん、不審者役をありがとうございました。

 不審者が学校に侵入するような緊急事態が起きてほしくはありませんが、備えは常に必要です。いざという事態を想定して、子どもたちを安全に避難させる体制をつくっておくことがとても重要になります。

 今後も、こうした避難訓練を継続して行い、子どもたちが冷静に、落ち着いて避難行動ができるよう指導していきたいと思います。

寒い中での体育朝会 がんばる子どもたちは立派!

 今朝の外気温は0度。日中は多少気温が上がりましたが、やはり一年で一番寒さが厳しくなる時期です。

 3学期はじめての体育朝会を行いました。4年生は遊具を使った運動、5年生は走り幅跳び、1年生はボール投げ。それぞれの学年の課題とされた運動に取り組みました。特に本校は投力や腕の力が課題となります。そうした力を付けるためには、トレーニングじみた運動よりも、日ごろからその運動にできる範囲で親しませることが一番。寒い中でしたが、みんなよくがんばって取り組みました。

 朝、太陽のもと体を動かすことには大きな意味があります。日光が皮膚や瞳にあたり、体内時計が作動して体の機能が目覚めること。運動をして血流が盛んになり、目が覚め、運動能力に加え学習効率も高まること。業前マラソン等に取り組むことにより、必要な体力や持久力が育つこと。体を動かすことで気分がすっきりして、ストレスが減少し、情緒が安定すること。おなかがすいて、給食の食べがよくなること。

 「スマホ脳」の著者として知られるスウェーデンの脳学者 アンデシュ・ハンセンは、「スマホは所持するだけで学力が落ちる。だが、簡単な解決方法がある。体を動かし、運動に親しむことだ。」と著作の中で述べています。

 朝から体を動かすことには、ざっといってもこれだけのメリットがあります。コロナ禍により、子どもたちの運動の機会がますます減少しています。そして、青少年に係る生徒指導問題も増加しています。私はその解決のための重要な方法の一つが、楽しく体を動かす機会と環境を、大人がしっかり提供することと考えています。

 しかし残念なことに、令和5年度から体育朝会は廃止となります。職員の勤務開始時刻前の活動は、原則行えなくなるためです。教員の働き方改革推進のための措置ということですが・・・。現場の私たちも心苦しく思っています。それでも、子どもたちが楽しく体を動かす機会を保障していかなければなりません。

 勉強するにも、運動するにも、人生を楽しむためにも、基本は健康な体と体力ですから。

 

図工で多色刷り やっぱり作品づくりは楽しい!

 昨日は雨で遊べなかったので、今日は業間・昼休みいずれも外で遊べて子どもたちも嬉しそうでした。

5年生が図工の多色刷りに取り組んでいました。これが楽しい!色が重なることで表現できるその効果は、刷り上がってからのびっくりどっきりで、わくわくする教材です。慎重にやっていた子どもたちも、刷り上がってきれいな色付けができると「やったー!」と大喜び。みんな楽しそうに、一生懸命作品づくりに取り組んでいました。この楽しさ、作品づくりへの喜びこそ、図工を好きにするための大切な授業の要素です。

 一方、今の子どもたちは、「目が肥えて」います。無理もありません。物心ついたときから「超」が付く高品質な映像ばかりをみせられてきたのです。それゆえ自分の手が生み出す作品は、未完成で、稚拙で、価値がないものと思えてしまう。だから、失敗をこわがり、作品づくりをためらってしまうこともあります。成熟社会に生きる子どもたちの不幸の一つです。

 大人が子どもの作品に触れる時に、大切なことがあります。それは「人の作品と比べないこと」、「ほめ上手になること」です。「下手になっちゃんたんだー。」と子どもがいってきたとき、「じゃあ、次はがんばりなさい。」なんて、いっちゃいけないのです。

「そんなことない。ここのところの線がすごくきれいだし、色の組み合わせもすてき。絶対、下手なんかじゃないよ。誰かと自分を比べる必要なんかない。この絵はあなたのよさが出てる。こういう作品って、大好きだよ。」

 そんな大人の言葉がけが、子どもに自信を付けていきます。「よーし、もっとがんばろう!」という勇気を与えます。

 私たち大人だって、苦手なこと、やったことがなくてうまくできるかどうかわからないことがたくさんあります。子どもならなおさらです。それなら、子どもが怖さを堪えて自信なさげにつくりあげた作品こそ、素晴らしい価値あるものなのです。

 そんな機会を捉えて「よくがんばった!あなたの作品、大好き!!」といってあげることが、私たち大人の務めだと思います。

 

音楽リコーダー練習

 月曜日だというのに雨が降ったら、子どもたちはますます憂鬱な気持ちになるじゃないですか(悲)。でも、湿度が上がったので子どもたちの喉や肌の荒れ予防にはいいかもしれませんね(笑)。

 5年生の音楽の様子です。この日は「威風堂々」をリコーダーで練習しました。卒業式のためです。令和4年度の卒業式でも、入場曲を5年生の演奏にする予定です。「自分たちも、がんばって6年生の卒業式をお手伝いするんだ」という意識付けのためにも大切な取り組みです。

 現在、県教委や市教委から、教育活動についての特別な制限は行われていません。リコーダー演奏や合唱練習をする際も、「児童どうしの距離を十分とること」「換気を行うこと」「演奏するとき以外はマスク着用に努めること」など、感染症対策を十分行えば、練習は可とされています。そこで、今日は外は寒かったのですがちょっと我慢してもらって、窓を開けながら練習を行いました。

 まずは、音楽室の広さを目いっぱい使って、距離をとります。向きはすべて、同じにします。次に、指使いを十分に練習します。このとき出す音は、飛沫感染を防ぐため、あくまでも控えめにします。

 そして、楽譜を椅子において、立って練習します。ちょっと望ましい姿勢ではないのですが、飛沫を最小限にするため、リコーダーの向きをそろえて練習を進めます。さすが5年生。「飛沫を避けるために、みんな音を絞ってね。」というと、きちんと控えめにしてくれます。高学年ならではの姿勢だと思います。

 リコーダーの音色は、何度聴いても飽きることがない美しいものです。それゆえ、子どもたちには指使いだけでなく、実際に音を出して練習をさせたいと思います。指導者が十分注意すること、子どもたちがそれを理解して感染防止に協力し合うことで、安全に練習を行うことができると考えます。

 でも本当は、もっと存分に練習させてあげたいと思います。今のように制限が多い状態では、子どもたちにその教科の楽しさの神髄を味わわせることができないのです。「あ、練習って、楽しい!」と思ってこそ、子どもたちは力を伸ばしていきます。それがなんとも歯がゆい限りです。

 第八波もピークアウトの兆しを見せていますが、いったい、いつまで続くのかなと思います。早く子どもたちにマスクなしで思う存分、それぞれの教科学習の楽しさ、喜びを味わわせてあげたいものですね。