学校ブログ

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大谷選手からのメッセージ 夢は大きく 目標は小さく

 ついに本校にも、「大谷翔平グローブ」が1月中旬に届きました。満を持して、今日の2月の全校朝会で子供たちに紹介しました。

 はじめに、長縄練習について話をしました。

「長縄練習をするにあたって、お願いがあります。誰かが失敗しても決して責めず、みんなで励まし合いながら記録を伸ばしてください。ちょっとでも記録が上がったら、みんなで喜んでください。まず、大きな目標を立て、そこから小さな目標をつくり、少しずつ実現していくことがとても大切です。」

「ここで皆さんに見せたいものがあります。6年生代表児童の皆さん!」

「はい!」二人の児童が立ち上がり、司会の先生からグローブを手渡され、「いくぞー!」とキャッチボールを始めました。二人はとても上手で、子供たちからは「おー!」「上手ー!」と歓声が上がりました。

 「ありがとう。二人とも、壇上に上がってください。」「はい!」

 壇上に上がった二人が、グローブを全校児童に掲げました。

「このグローブを、送ってくれたのはだれか皆さん知ってますかー!?」全校児童が、勢いよく答えました。

「大谷 翔平選手ー!!」

「その通りです!メジャーリーガー大谷選手が、北谷小にもグローブを送ってくださいました。添えられていたメッセージを読み上げます。

 この三つの野球グローブは学校への寄付となります。それ以上に私はこのグローブが、私たちの次の世代に夢を与え、勇気付けるためのシンボルとなることを望んでいます。それは、野球こそが、私が充実した人生を送る機会を与えてくれたスポーツだからです。

 野球しようぜ。大谷 翔平」。

 6年生代表に全校で拍手を送ったあと壇上から降りてもらい、話をつづけました。

「大谷選手が野球を始めたのは小学校2年生の時です。野球に夢中になった大谷選手は、リトルリーグに入り、大活躍しました。中学校でも野球部に入りましたが、中1の時は時速105キロのボールを投げていたそうです。将来プロになるために、中3までに時速120キロのボールを投げようという目標を立てた大谷選手は、そのために1年で5キロずつ球速を上げていこうと考え、そのために具体的なトレーニングを消化していきました。大谷選手こそ、大きな夢をもち、そして小さな目標を達成していった人だったのですね。

 このグローブは、各学級に回します。先生の指導のもと、キャッチボールに使ったり、クラブ活動で使うこともOKです。このグローブに触れ、大谷選手からいただいたメッセージ、夢をもつことの大切さについて思いを巡らせてみてください。」

 夢は大きく、目標は小さく。始業式の時から、子供たちに言い続けてきたことです。大谷選手のメッセージとともに、未来へ大きな目標をもち、それに向かって努力することの大切さを子供たちに改めてかみしめてほしいと思います。

 大谷選手、素晴らしいメッセージをありがとう!

入学説明会を行いました

 今日もとても寒い日になりました。吹きすさぶ風が一層体感温度を下げ、外に出ると凍えるようでした。でも子供たちは元気そのもの。寒風の中、元気に遊ぶ子供たちに「よく寒くないねえ」というと、「子供は風の子ですぅー!」と諭されてしまいました(笑)。

 入学説明会を行いました。まず、校長からご挨拶を申し上げました。「令和6年度は、本校にとって50周年となります。お子さんは記念すべき年に入学されます。」

 続いて、主幹教諭がスライドを使って、学校の概要を説明しました。

 1年生担任から、もちものの準備等についてお伝えしました。

 お忙しい中、PTA役員の皆様にもご協力をいただきました。ありがとうございました。

 最後に、学習用具をご購入いただきました。

 計算してみると、4月8日のご入学まで今日を入れてあと75日間となります。こうして数字で表すと、ずいぶん短いように感じます。その間、入学のご準備を進めてくださるようお願いしました。

 新入児童の保護者の皆様、今日はお忙しい中、そして寒い中お越しくださり、本当にありがとうございました。お子さんのご入学を心よりお待ちしております。

三郷特別支援学校との交流学習

 朝、寒風が吹きすさびどうなることかと思いました。午前中は少し風が和らいだものの、午後からはまたも強風が吹き荒れ、子供たちも下校が大変だったと思います。

 三年生が、三郷特別支援学校の皆さんと交流学習を行いました。教科と単元は体育の跳び箱です。

開脚跳びや台上前転に果敢に取り組む子供たち。がんばっていました!

 交流に来たお友達も先生の見守りのもと、よくがんばっていました。北谷小の子たちも「がんばれー」「いいよー」の声援を送っていました。

 活気にあふれる雰囲気の中、練習にはどんどん勢いが付いて、今まで跳べなかった高さを跳べる子もたくさん出ました。

 片付けも、一緒にスムーズに進めることができました。

 3年生の子供たちは、純真な心でどんな仲間も何の屈託もなく受け入れてくれます。そうした世代のうちに、様々な人と楽しく豊かな交流をさせ、望ましい人権意識をもたせることはとても大切なことです。三郷特別支援学校の皆さんも、楽しんでくれたようで、とても価値ある学習になりました。

 三郷特別支援学校の皆さん、大変ありがとうございました。またいらっしゃる機会を楽しみに待っています。

 

ICT活用と漢字書き取り

 朝の冷え込みが一段と厳しかったです。日本海側では今年一番の寒波が到来し、被災地の能登半島も厳しい状況とのことです。現場では災害救助と復旧作業が必死の努力のもと進められています。本当に頭が下がります。

 一年生が、「あいうえお」の画面入力に一生懸命取り組んでいました。先生から次々に送られてくる課題を楽しみに、「できましたー!」「先生、次は何ですかー?!」のやる気ある声が響き渡りました。教室が活気にあふれていました。

 4年生は総合的な学習で、日本中の地域の特色ある食べ物について調べていました。「千葉県の特産品って、なんだっけ?」「長崎はカステラかちゃんぽんだろー。」とても楽しそうに、話し合いながら調べ学習を進めていました。4年生にもなると、ICT機器を使いこなすようになります。こちらも、活気ある授業でした。

 一方、5年生は漢字の書き取り練習を進めていました。一人一人が字の間違いや書き順に気を付けながらノートに真剣な表情で書き取りを行い、先生に〇をもらうとほっとした表情を見せていました。1年・4年とは異なり、しーんとした緊張感が教室を支配する雰囲気でした。

 GIGAスクール構想により一人一台配付されたICT端末。その活用が、全国の公立小・中学校で推し進められています。子供たちの吸収力は相当なもので、砂地に水を撒くようにあっという間に吸収してしまいます。

 ただ、漢字書き取りのようなアナログ学習もとても大切です。アメリカノースカロライナ大学心理学分野の研究での実験です。アラビア語のアルファベットを知らない成人に「映像視聴」「手書き」「タイピング」の学習群に分け、習熟の定着率や速さを比較したところ、定着率が最も高かったのは「手書き」でした。手書きで文字を書くことがいかに脳によい影響を与えるかを物語っています。

 いずれ子供たちのノートは、「紙と鉛筆」から「電子ノートとスライタスペン」といった電子デバイスに置き換わることでしょう。それでも、「手書き」の機能をもつICT機器が消えることはないでしょう。

 いってみれば、漢字の読み書きは野球で例えれば「素振り」や「ランニング」といった基礎練習、ICT機器を使った調べ学習は「試合」にあたる応用学習といえると思います。どちらも、子供たちの学力向上のために必要です。

 基礎・基本の積み重ねをしっかり行い、そこで身に付けた力が発揮できる活用の場を設け、成果を発信する。活用の場で力不足を感じたら、また基礎に戻って必要な力を付ける。これこそが、学習の好循環です。

 ちょっと気になるのが、クロームブックの忘れや、鉛筆、消しゴム等の忘れや紛失等道具の不備です。道具を疎かにするもの、大成ならず。子供たちの忘れ物が減るよう、引き続きお声がけをお願いします(笑)。

長縄練習 がんばります!

 昨日、今日と温かい日が続きます。今、体育では各学級で長縄練習を始めています。今日は、2年生の練習の様子をみることができました。

「さー長縄練習、はじめるぞー!」

「跳べたら、みんなで『オッケー!』の声を送ろう!」

「よっし、今だ!」「やったー!」

「協力して、がんばるぞー!」

 子供たちは楽しそうに練習に励んでいました。

 長縄練習は、とてもよい運動です。体力、敏捷性の向上はもちろん、望ましい人間関係の醸成につながるからです。

 まず、記録の向上に過度にこだわりすぎず、みんなで協力して、記録の伸びを喜び合うこと。例え跳べなくでも一切責めず、今日2年生がしていたように跳べたら拍手を送ること。最も大切なのは、回し手の役割です。長縄は、「つっかえる子が悪い」ではありません。回し手が「跳べない子も跳ばしてあげる」ことが笑顔の秘訣なのです。

 回し手は最初、機械的に長縄を回します。そんな子供たちに「跳べなかったらその子が悪い、じゃなくて、うまく縄を調整して跳ばしてあげるんだよ。」と教えて、跳び手の足元に注目させます。長縄のポイントの一つは、素早く縄の回転の中に入って、「最も縄が低い位置で跳ぶ」=縄の真ん中付近で跳ぶということです。でも、苦手な子は焦ってしまうので、「待っている位置」からすぐ跳ぼうとするので、結果として「縄が最も高い位置」付近でジャンプし、つっかえてしまいます。回し手はそれを理解したうえで、苦手な子が縄に入るタイミングに合わせて回転を遅らせ、「跳ばせてあげる」。そして跳んだ子の手柄にすることがいいのです。

 昨日も凧揚げのよさについて書きましたが、長縄にもこうした素晴らしい点があります。

 現代社会の商業主義は、最新のトレンドを採り入れ、流行が移り変わっていきます。流行らなくなり忘れ去られた遊びも数多い。でもその中に大切なものがたくさん散りばめられていると思います。

 長縄を通じて、子供たちの心と体を育てていきたいと思います。

たこたこ上がれ 元気に上がれ

 日中は日差しに暑さを感じるほどでした。午後4時を過ぎても陽が伸びて、季節が進んでいることを感じます。

 1年生が生活科で凧揚げに挑戦しました。子供たちは大喜び。校庭に歓声が響き渡りました。

わあい、上がった上がった!

 みてみて!校舎より高く上がったよ!

 わあ、速く走ると高く上がるぞ!走れ走れ!

 雲が切れ、青空が顔をのぞかせました。白い凧がブルースカイに映えました。

 校庭が大歓声に包まれました!

 現在、凧はほとんど見かけることがなくなりました。原因は様々で、それも時代の流れだと受け止めざるを得ません。でも、凧揚げという遊びの魅力は、決して色あせていません。それどころか、2024年の子供たちの遊びより、はるかに優れた要素をたくさんもっているのではないか、と思います。その証拠に、今日1年生は満面の笑顔で元気に校庭を走り回り、嬉しそうに歓声を上げ、大空に舞う凧の雄姿に喜びを感じていました。

 朝、登校指導をしていると、熱心にゲームのことを教えてくれる子がとても多いです。子供たちの大半が、ゲームに夢中です。それは子供たちが悪いのではなく、時代の潮流です。でも、今日子供たちが行った凧揚げは、ゲームに負けない素晴らしい喜びを子供たちに与えたと確信します。

 古きよき時代から連綿と受け継がれた日本の伝統遊び。その中には、現代の教育問題、子供たちの成長にかかわる多くの問題を解決してくれる、大切なものがたくさん散りばめられているのではないかと思わずにはいられません。

 このことをきっかけに、改めて子供たちに昔の遊びのよさ、素晴らしさを味わってほしいと思います。

今日の授業風景

 今週の月・火は凍えるような寒さで、日本海側に大雪が降ったせいで関東地方には冷たい風が吹き荒れる天気でした。今日は打って変わって温かく、三月並みの陽気だとか。

 運動場では、4年生がラインサッカーで体を動かしていました。温かさも手伝って、どのチームも楽しそうにがんばっていました。

 教室では、1年生が算数の授業で全力疾走していました。各自、課せられた課題を一生懸命解いて、できると満面の笑顔で「できたー!」とみせにきてくれます。

 後ろでは、教育支援員の寺山先生が〇を付けてくださっています。教育支援員制度、不定期ですが本当に助かっています。算数に一生懸命取り組む1年生に必要なのは、ICT機器のディスプレイに示される情報ではありません。必要なのは、子供たちに声を掛け、悩む子を励まし、できたら大きな丸を付けて「よくできたね!」と称賛する温かみある指導者の笑顔です。国は、教員不足で悩む各地の公立学校に対して、DX(デジタルトランスフォーメーション)での支援を打ち出していますが、そうではありません。必要なのは、人の手です。

 担任が個別に丁寧に教えて学習内容の理解を図り、その間、もう一人の指導者ができた子の回答をチェックし称賛する。こうした二人体制が、子供たちを安心させます。

 午後は、5年生が体育館で合同授業を行いました。図工の「同じものいっぱい」という単元で、子供たちの実態から、新聞紙を使って大胆に、ということを狙いにグループでそれぞれつくりたいものをイメージして、協働で作品づくりに取り組みました。これが素晴らしかった!子供たちは実にイメージ豊かに、ダイナミックな作品をつくりあげたのです。

 スカイツリーやかわいいパンダ、テントや住みたい家、車に大型スピーカーなどなど。「月が見える望遠鏡」として、本当にのぞける望遠鏡と、ミニチュアの月の組み合わせというアイディアには鳥肌が立ちました。なんという想像力!新聞紙という素材は、平面も細い棒状の骨組みをつくることができるので、子供たちのイメージを拡大させるのに大いに役立ったようです。つくりあげた作品は、互いにアピールポイントを発表して、鑑賞しあって、惜しみつつ作品を片付けました。いやー、子供たちのイマジネーションは、本当に大したものです。新聞紙という身近な素材から、ここまでイメージ豊かに作品をつくりあげるとは!

 思うに、大人は現実ばかりに増え、どんどんイメージ力を失っていっているのかもしれません。その分、子供たちの想像力が輝いて見えるのかも・・・なんて思ってしまいました。子供たちの想像力は本当に素晴らしい。その力を解放する機会をもつが重要ですね。5年生、素晴らしい!

不審者対応避難訓練を行いました

 事情により、ホームページ更新をしばらくお休みして申し訳ございませんでした。本日より、更新を再開したいと思います。

 本日、不審者対応避難訓練を行いました。今年度は吉川警察署生活安全課の皆様のご協力をいただき、不審者役や全校児童への安全指導、職員のさすまた訓練などを行っていただきました。

 2校時、訓練開始。不審者役の小池巡査が2年2組に侵入しました。担任が対応する間、子供たちは素早くベランダから隣の教室に避難しました。

 職員からの連絡を受け、職員室はすぐに警察署に通報。その後暗号の校内放送を掛け、聞きつけた職員は「さすまた」をもって教室に駆け付けます。目的はあくまでも不審者の足止めをすること。警察官が現着するまでの時間稼ぎとなります。

 子供たちは誘導役の職員に誘導され、体育館に避難。万が一にも不審者が侵入できないよう、内側からカギを掛けます。訓練は、警察が現着し、不審者が確保されたとの想定のもと、校内放送を掛け、警戒を解除しました。

 その後体育館に集合した児童に、不審者役の小池巡査からご指導をいただきました。「避難は、とてもスムーズでした。大切なことは『いかのおすし』です。皆さん、先生方のご指導を守って、大切な命をまもってください。」「はい!」

  避難訓練終了後、職員が体育館に残り、小池巡査にさすまたの使い方についてご指導いただきました。「さすまたは、相手の眼もとに浮き出して牽制してください。大切なのは、距離をとることです。」さすが現役警察官、とても勉強になりました。

 子供たちには、次のように話しました。

「今日の避難訓練はとてもスムーズだったけれど、それは『訓練だから』という心の余裕があるからかもしれません。もし本当に刃物をもった不審者が校内に侵入してきたら、みんなパニックに陥って、廊下・階段を大慌てで走ってしまうかもしれない。階段で接触して、滑り落ちたりしたら、不審者に傷付けられるよりおはるかに大きな被害になります。今日先生方から教えてもらった避難ルート、避難の仕方をいつも頭に入れて、落ち着いて行動してください。」

 今月2日起きた羽田空港の日航機火災事故も、379名の乗客が全員脱出できたのは乗客が過度なパニックに陥ることなく乗務員の指示に従ったからです。改めて、避難訓練の大切さが明らかになりました。子供たちが今日の訓練で落ち着いて避難できたことは収穫でした。

 それも、吉川警察署生活安全課の皆様のご指導のおかげです。大変ありがとうございました。

 

 

 

係活動と当番活動のちがい

 新学期2日目となりました。各学級で、日常が戻ってきています。漢字練習を行ったり、6年生は卒業文集の制作に取り組んだり。お正月ののんびり気分は吹き飛び、あわただしい学校生活が戻ってきました。

 各学級で共通して行われていたのが係・当番決めです。子供たちから出された係を先生が希望者を募り、数を調整しながら新学期の係が決まっていきました。

 係と当番は、混同されることがあります。この二つは、似て非なるものです。当番活動は、学級で決められた仕事を行うものです。係活動は、自分たちで活動を考え、実践します。ここが大きな違いです。

 低学年のうちは、責任感をはぐくために「一人一役」として、黒板係、電気係、窓閉め係など、仕事が決まった役割を割り当てていく場合が多いのですが、中・高学年ではそうせず、活動に自分たちの創意工夫を取り入れることができる係を決めます。従って、「黒板係」「窓閉め係」などはありません。その代わり、「生き物係」「保健係」「掲示係」「遊び係」などがあるわけです。

 係活動は、子供たちの「望ましい勤労観」をはぐくむためにとても大切です。係活動の内容を決めるにあたって大切なのは、学級のプラスになる活動になることです。例えば「遊び係」は、自分たちのやりたい遊びを決めるのではなく、「男女分け隔てなく遊べて、クラスの仲がよくなる遊び」を計画します。その過程で、子供たちの行動力や創造力、コミュニケーション能力等がはぐくまれていきます。

 私は担任のとき、この係活動をとても大切にしました。自分たちの行った係活動が、学級の笑顔につながる手ごたえを得られるからです。子供たちは、「みんなのためとを思って実践すると、喜んでもらえるんだ。」と実感し、どんどん創造的なアイディアを出していきます。それが学級の活力につながり、クラスがよい方向へ進んでいくことが多いのです。学習指導要領においても、子供たちの望ましい人間関係を醸成するうえで、特別活動がとても大切なことが強調されています。

 しかし2002年より、そうした係活動に注力できなくなったという実感があります。学校五日制が導入されたからです。それまで比較的とれた学級の裁量時間はほとんどなくなり、教育活動がとても窮屈になりました。折しもOECD国際学力調査で日本の順位が下がり、ゆとり教育が激しく非難される「PISAショック」が重なり、学力向上が最重要課題となりました。学習内容が増え、教科書が分厚くなっていきました。

 学力向上は大切です。国を挙げて学力向上に取り組んだ成果の一つとして、2022年に15歳を対象としたOECD学力調査の結果があります。日本は「読解力」「科学的応用力」「数学的応用力」の3分野で世界トップを維持しました。一方、学力は希望の大学への入学や職種に就くには必要ですが、それ以降、組織の中で働くためには「行動力」「創造力」「コミュニケーション能力」等、目にみえない学力の方が大切になることは、多くの方が理解されていると思います。ベネッセコーポレーションの2018年の調査では、保護者が教育改革に何を望むかという質問に対して、「高校・大学入試で知識以外の力を重視してほしい」という項目が2番目に要望が高い結果となりました。

 3学期はじめに、みんなで話し合って決めた係活動。忙しい中ですが、クラスの笑顔を増やすために、子供たちには活動にやりがいともって取り組んでほしいと思います。 

令和6年 第3学期始業式 どんな成人を目指すのか

 令和6年第3学期がスタートしました。子供たちがみな、元気に登校してきてくれたことにとても安心しました。保護者、地域の皆様、冬休み中の子供たちの安全の見守りにご配意いただき、ありがとうございました。

 1時間目に始業式を行いました。校長講話では、次のように話しました。

「3学期は、53日間しかありません。とても短い学期になります。1年間のまとめと、次年度の準備をするために、健康に気を付け、一日一日を大切に過ごしましょう。」

 また、能登半島地震や、羽田空港の火災事故に触れ、災害はいつどんな時に起きるかわからない。だから日頃より、先生方やおうちの方に指導されている交通ルールや、学校における避難訓練の約束や避難の仕方をしっかり守り、いざという事態が起きたら冷静に対処することが大切だと伝えました。

 子供たちは、しっかりした姿勢で話を聴くことができました。

 3年生の代表児童が、新学期の目標について発表しました。言葉に気を付け人を傷付けないようにすること、漢字練習や時間を守るなど、新学期にがんばりたいことを自分の言葉で立派に述べてくれました。

 17日ぶりに全校児童で歌う校歌も、体育館にきれいに響きました。

 生徒指導主任の片野先生が、1月の生活目標について指導しました。あいさつは、コミュニケーションの第一歩。先生方にも、友達にも、おうちの方にも、地域の方にも元気にあいさつをしていきましょう。ご家庭でも、お声掛けをお願いします。

 各学級では、先生方が心を込めて描いた「黒板アート」が子供たちを出迎えました。午前中3時間と時間が短かったので、子供たちは冬休みの課題を提出したり、新学期の目標を決めたりと、忙しそうでした。

 そして11時20分。一斉下校で校庭に集合し、登下校の安全ルールを確認しての下校となりました。あっという間に、半日が過ぎていきました。

 今日の校長講話では、子供たちにもう一つ、話を伝えました。

「昨日の祝日は何の日だったか知っていますか。そう、成人式です。成人の年齢はいくつでしょうか。そう、18歳です。法律が146年ぶりに改正され、成人年齢が18歳に引き下げられました。でも、お酒やたばこは20歳から。ちょっと、わかりにくいですね。 

 なぜ法が改正されたのかというと、選挙が大きな理由の一つです。超高齢化社会といわれる日本では、政治も高齢者優先の政策になりがちです。それはよくない、もっと若者の声を政治に生かそうということで、選挙年齢が引き下げられました。それに伴う権利や義務も18歳に下げないとおかしい、ということで成人の年齢が18歳となりました。今高校2年生の人は、高校3年生になって、誕生日が来た順に成人になります。

 18歳は、社会的には立派な大人とみなされます。大人は、自分のことを自分でやる力を身に付けておくことが大切です。学校での勉強は、すべてそこにつながります。逆に、やるべき勉強を怠けていると、自立のための力が付かないまま大人になってしまいます。

 6年生は、あと6年で成人です。みなさんが学校でがんばっている勉強も学校行事等の経験も、すべて将来立派に自立することにつながります。短い三学期、一日一日を大切にして、勉強や運動、行事などに一生懸命取り組んでいきましょう。」

 テレビなどのメディアは面白がって、「荒れる成人式」、ド派手な格好をして「目立てばいい」とばかり、バイクに乗ったり酒をラッパ飲みしたりする新成人の映像を盛んに茶の間に流します。私は子供たちによくない影響を与えるのでやめるべきだと思っています。18歳は、選挙権などの権利を手にしますが、同時に社会の構成員となる義務と責任を負います。そこから、好きな道を選び、目標に向かって歩んでいけばいい。勉強は、将来の自己実現を図るために行うものです。

 長文になり申し訳ございませんが、校長の思いを綴りました。なぜ、勉強しなけばいけないのか。それは、将来立派に自立するための力を身に付けられるからです。三学期も、子供たちにそうした力を付けるため、職員一同努力してまいります。令和6年も、宜しくお願いいたします。

2学期終業式 がんばった子供たち 保護者・地域の皆様ありがとうございました

 今朝は今シーズン一番の冷え込みだったそうです。でも、日中は暖かくなりました。北谷小で一斉下校を行うと、なぜか必ず強風に見舞われます(涙)。今日はそれもなく、とてもラッキーでした(笑)。

 今日で80日間の二学期が終了しました。校内でインフルエンザ流行の兆しはみられないので、体育館に全校で集合して、二学期の締めくくりを行いました。

 校長講話では、二学期の各学年の成長を振り返り、努力と労をねぎらいました。「行事は人を育てる」という言葉で始まった二学期。一つ一つの行事に、一生懸命取り組むことができたか、子供たちととともに振り返りました。

 「あがるも おちるも 努力次第 自分次第」。行事や教育活動を通じて自分を成長させるためには、一つ一つの行事に、力を出し惜しむことなく全力で取り組むことが大切です。二学期のがんばりを通して得られた成果と課題をもとに、新学期も新たな目標をもってがんばっていきましょう、と伝えました。

 子供たちは終始、落ち着いた姿勢で話をよく聴いていました。これも二学期の成長の一つだと思います。

 5年生の代表児童が、二学期を振り返る児童代表の言葉を述べました。「二学期努力したことを生かして、三学期を6年生0(ゼロ)学期と思って、3学期にまた、がんばりたいと思います。」会場からは、大きな拍手が贈られました。

 二学期締めくくりの校歌を全校で合唱しました。きれいな歌声が体育館に響きました。オンラインの終業式では決してできないことで、全校で心を一つにして歌うのは本当にいいなと思います。校歌斉唱も、愛校心の育成につながる大切な行為です。

 式終了後、生徒指導主任と安全主任から、冬季休業中の生活や安全についての指導を行いました。生徒指導主任からは、①交通事故に気を付ける ②帰宅時刻を守る ③スマートフォンやタブレットなど、SNSはおうちの約束のもと時間を守って楽しむ ④お小遣いのやりとり(おごったりおごられたり)はせず、お金の扱いには気を付ける などのお話をしました。安全主任からは、自転車に乗っているときの安全に特に気を付けること、飛び出しを絶対にしないこと などについて指導しました。ご家庭でも、お声がけいただければ幸いです。

 各教室には、担任の先生が二学期の子供たちの努力をねぎらう「黒板アート」が花開いていました。北谷小の先生方はいつも、学期のはじめと終わりには、この黒板アートで子供たちを喜ばせています。これは北谷小の素晴らしい点の一つです。

 そして教室では、担任の先生が児童一人一人に通知表を渡していました。「この教科がよく伸びたね。ここは少し、届かなかったけれど冬休みにしっかり復習すれば大丈夫。また、三学期にがんばろうね。」先生の言葉に、子供たちはうなずきながら通知表を受け取っていました。

 一斉下校が終わり、子供たちはそれぞれ集団下校で家路につきました。門で一人一人に「さよなら!よいお年を!」と声掛けをしていると、「二学期お世話になりました!よいお年を!」「校長先生、ありがとうございました!」「新学期もお願いします!」と何人もの子から声を掛けられました。とても心が温かくなりました。北谷小の子供たちは、素直でよい子たちばかりだと改めて思いました。

 こうして、二学期最後の日が終わりました。前代未聞の猛暑に始まり、コロナ、インフルエンザの再流行、イスラエルーハマス戦争の勃発等、世界情勢の不安等、多くの不安なことがあった時期でした。でもその間も、各学年の遠足や社会科見学、陸上大会、修学旅行、校内持久走記録会、書きぞめ展など、様々な行事を行うことができました。そして今日、こうして無事二学期を終了できたのは、ひとえに子供たちのがんばりと、支えてくださった保護者・地域の皆様のおかげだと思います。本当にありがとうございました。

 ご家族の皆様で、よい年末年始をお迎えください。そして楽しい冬休みを過ごして、子供たちが1月9日火曜日の始業式の日に、元気いっぱい登校してきてくれることを心待ちにしています。

終業式前日。お楽しみ会、教室片付け

 今日もとても寒い一日になりました。でも、日中陽が差すとやはり温かいです。風が吹いていないのは幸いです。

 長い二学期も残すところあと1日になりました。各教室をのぞいてみると、学期末お楽しみ会と大掃除の花盛りです。

6年生は外でドッジボール、1年生はお楽しみビンゴをして、冬休み前の学級の絆を強めていました。どちらも、とても楽しそうでした。

 あとは、教室の大掃除です。机の中、ロッカーの中をきれいにして持ち帰りました。教室も年末年始を迎えます。二学期の最後にきれいにして、きもちよく新学期を迎えたいですね。

 いよいよ、明日は終業式。終わりよければ、すべてよしのたとえのように、最後までしっかりした姿勢を保ち、2学期を締めくくってほしいと思います。保護者の皆様には、子供たちが持ち帰った荷物を点検していただき、不足品の補充等にご協力をいただければと思います。

表彰朝会を行いました

 とても寒い朝になりました。今朝は表彰朝会を行いました。表彰を受けたのは身体障碍者福祉美術展、敬老の日絵画コンクール、トンボ絵画コンクール、徳署感想文コンクール、吉川市調べる学習コンクール、リユースポスター展、科学教育振興展、発明創意工夫展、市内陸上大会、給食献立コンテスト、市内音楽祭です。

 全員を表彰することはできないので、各部門の代表者を表彰し、他の受賞者は体育館フロア上で、一緒にお礼をしてもらいました。代表児童は、みな立派な態度で表彰状を受け取ることができました。

 最後に、このような意味を含めたお話をしました。

「表彰を受けた人、おめでとう。それぞれの活動で、一生懸命がんばった成果です。でも、賞状を受けた人だけが立派なのではありません。がんばった人、一生懸命打ち込んだ人はみんな立派です。そうして、みなさんは少しずつ成長していきます。これからも、どんな活動においても力の出し惜しみはせず、常に一生懸命取り組むようにしてください。」

 大切なことは、賞状をもらうことではありません。その活動において、ベストを尽くす姿勢を保つことです。小学校段階においては、結果のみを評価するのではなく、取り組んだ姿勢を称賛することで、子供たちの学ぶ意欲を高めることができます。

 まもなく、子供たちに通知表を渡します。ご家庭においても、「過程の評価」を心掛け子供たちの「よーし、次もがんばろう」という心を伸ばしていただければと思います。

 

北谷小学校ブログ更新について

 いつも「北谷小ブログ」をご覧いただき、本当にありがとうございます。また、保護者の皆様には現在教育活動に関するアンケートにご協力をいただいております。ご協力に心より感謝申し上げます。

 さて、この「北谷小ブログ」は、校長が毎日行っている校内巡視の際に、各教室の学習の様子をみて感じたことや、学校行事に込めた教育的意図、そして子供たちのがんばっている様子についてお知らせしております。

 こころのところ教職員のお休みが続き、保護者の皆様にも子供たちにもご心配とご迷惑をおかけしております。誠に申し訳ございません。他の職員がかわって学級指導を行っているため、職員室が手薄になり、校内巡視が十分できず、本日もお知らせしたいトピックを掲載することができませんでした。お詫び申し上げます。

 加えて、来週は通知票追い込み週間になりますので、またブログ更新が滞ることもあるかと思います。申し訳ございませんが、ご理解賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 現在校内で児童のインフルエンザ流行は落ち着いた状態が続いておりますが、今年のウイルスの感染力はとても強く、それまで元気にしていたお子さんがあっという間に発熱する例を散見します。市内の他校も同様で、学級閉鎖が連続して続いています。週末、お出かけになることもあると思いますが、人込みへの外出を避けたり、手洗い・うがい等をしっかり行ったりするなど、改めて感染防止にご協力くださいますようお願いいたします。

 二学期もあと一週間。職員も最後までがんばって、二学期をよい形で締めくくりたいと思います。保護者の皆様のご理解とご協力を賜りますよう宜しくお願いいたします。

プログラミング学習と心のこもったお手紙 デジタルとアナログ

 今朝の外気温は3度。日中は15度近く気温が上がるので、服装の調整が大変です。地球温暖化が心配される中、寒いとちょっとホッとするのは、なんとも不思議な心理ですね。

 昨日もお世話になった吉川市ICT支援員の方にお世話になり、2年生がプログラミング学習に取り組みました。以前、4年生も使ったことがあるSONYのMESHを使って、信号機に使われる切り替え回路を、プログラムで組んでみました。

 「それでは、今日は信号機を変えるプログラムを、皆さんのもっているクロームブックで組んでみたいと思います。」「そんなこと、できるの?」

 「このSONYのMESHというセンサーをクロームブックとつなげるには、このコネクターを使って、ブリッジ接続をします。やり方を伝えるからよーく聞いていてね。」

 言葉はちょっと難しいのですが、さすがは世界のSONY、直感的な操作で接続を行うことができます。低学年児童でも大丈夫。昨日もお世話になった支援員の大島さんが、丁寧に教えてくださいました。

 早速手に取ったSONYのMESH。小さくてかわいいセンサーですが、高性能で操作は簡単。実によくできています。子供たちのプログラミング学習にまさにぴったりです。

 でも、子供たちはやっぱりちょっと不安。吉川市教育委員会から、松岡指導主事もお手伝いに来てくださいました。

 昨日のブログにもちょっと書いてしまいましたが、子供たちが安心して作業を進めるには、教える側が多いことが望ましいのです。慣れるにつれて、その人数を減らしていけばよいのですから。

 うまくプログラムが組めた子供たちが多く、プログラムの楽しさを味わっていました。

 一方、1年生の教室では、お手紙を書く練習が行われていました。年賀状の季節を前にして、1年生がお手紙の書き方を学習し、実際に書いていました。「誰に書くの?」と聞くと、「おばあちゃん!」「東京にいるんだ!」「うちは春日部にいるよ!」ととても楽しそうでした。お手紙を書く方もうれしいですが、もらった方は、もっとうれしいことでしょう。みんなよくがんばっていました。

 プログラミング学習と、手書きのはがき。とても対照的です。手書きのお手紙は、これからは少なくなる一方でしょう。でも私は、手書きのよさ、温かさは、デジタルでは永久に再現できないと思っています。手書きのお手紙は、書き手が心を込めて、その人だけに書いたものですから。

 かくいう私も、イラストを描くときはもっぱらドローイングソフトと液晶ペンタブレットを使っています。イラストづくりでこれを一度使ってしまうと、もう紙とペンには戻れません。ペンにはできない多彩な表現が可能で、しかも圧倒的に速い。手書きでやれば4~5時間かかる作業も、主観ですが3分の1ほどでできてしまいます。

 ただ、デッサン力やどんな絵を描きたいかという想いは、デジタルを使っても得られません。それは日ごろの練習や日常の経験や感動、自然や人とのコミュニケーション等から生まれるものです。デジタルとアナログ。そのどちらかがよいか、優れているかというものではありません。どちらも、子供たちにとって必要なものだと思います。 

ICT支援員さん 子供たちを支えるのは人の温かな手

 本日、自習監督で2年生の教室に入りました。自習課題がクロームブックの「ドリルパーク」とプログラミング練習ソフト「アルゴロジック」だったので、ちょっと私も慣れておらず、子供たちの質問にどう対応しようかと焦っていたところ、吉川市のICT支援員の大島さんが急遽教室に入ってくれました。

 さっそく、子供たちのクロームブック操作を一人一人みてくださった大島さん。「校長先生、ここわかりませーん!」「画面が止まっちゃいましたー!」と子供たちが叫ぶとすぐにヘルプに応じてくださったので、不慣れな私としてはとても助かりました。大島さん、ありがとうございました!

 ご存じの方も多いと思いますが、今、教員不足が深刻化しています。その問題の解決には、まだあと数年はかかる見通しです。でもその間も、待ったなしの窮状は続きます。政府広報は、そのために現場のDX化、デジタルトランスフォーメーションをすすめることにより、教師の働き方改革の推進と、児童生徒の学力向上等を図る意向を示しています。

 でも、未来を担う大切な子供たちの学びを支えるのは、機械の画面ではなく、人の温かい手です。高価なICT機器をいくらそろえても、それを使いこなすには教える人材が必要です。大島さんのように、子供たちが手を挙げると、すぐに寄って優しく教えてくれる人、その温かな手こそ、日本の教育現場に必要なリソースです。

 それを国が理解して、教育現場の教員不足対策に本腰を入れてくれるといいなあ、と思います。子どもへの投資は、日本の未来への投資そのものですから。

 

 

書きぞめ展覧会を行いました

 朝は雨模様だったのに、日中は太陽がぎらぎらと顔をのぞかせ気温も上昇しました。小春日和、いったいいつまで続くことやら。

 本日、書きぞめ競書会を行いました。各学年ごと、体育館や教室で、これまでの練習の成果を生かし、集中して作品づくりに取り組みました。

 低学年の児童が使うフェルトペンはまだしも、中~高学年の児童が使う書初め用の筆は、扱いがとても難しいことでしょう。また、私の経験から書きぞめを上達させるには、子供たち一人一人の手をとって、筆を扱う感覚を理解させることが最も有効です。鉄棒や跳び箱が、座学では上達しないのと同じように。しかし、なかなかその時間もとれないのが実情です。

 ただ、一つだけ確かなのは、毛筆や書きぞめの練習をして、正しい筆遣いを理解させることは、普段書く字を上達させるということです。鉛筆で書く文字も、毛筆が起源。筆と同じように鉛筆の先を運ぶと、とてもきれいな字が書けます。そこを子供たちに理解させたいと思うのです。なかなかかなわないことですが。

 学習指導要領が改定されるたびに、学力向上、グローバルスタンダード、Society5.0への適応といった大義名分のもと、新しい学習内容が次々に追加されてきました。省庁編成で新しい省庁がつくられるたびに、〇〇教育が現場に降ってきました。まるで雨後の筍のように…。ただ現場はもう「水がいっぱいに注がれたコップ」です。時期学習指導要領では、子供たちの負担軽減のためにも、学習内容を精選すべきとの声が高まっています。

 子供にとって何が大切か、何が必要か。国民的議論が必要だと思います。私はその中に、「日本語を、文字を美しく書く」学習を残してほしいと思います。美しい文字が書けるのは、喜びそのもので、学びを促進させます。巷には、東大生のノートはみな美しいとの言説も流布されていますが、私も同感です。学力が高い子のノートは、とても美しいのです。

 子供たちには、書きぞめ練習で学んだ「文字を美しく書く」心と技術を、日ごろのノートに生かしてほしいと思います。

食育なまず集会を行いました

 日中の陽気は12月とは思えない暖かさで、この小春日和が続くと、年末年始というイメージが全然もてないですね。

 本日2校時、「食育なまず集会」を行いました。なまず料理という素晴らしい地域の特産品を知ることで、吉川のよさを見直し、子供たちの郷土愛を高めることが目的です。

 朝は、中原市長さんがあいさつ運動に来てくださいました。「おはようございまーす!」元気なあいさつができました。

 2時間目、体育館に集合して、なまず集会のスタートです。まず、3年生が9月26日に、割烹「ますや」さんのご主人、横川さんになまずについて教えていただいたことをきっかけに、なまずについて調べた様々なことを発表してくれました。

 この日のために、調べたことを楽しい寸劇形式で発表してくれた3年生。なまずの種類や体のつくり、特性などをとても分かりやすく発表し、会場を大いに盛り上げてくれました。

 次に、斉藤先生が「なぜ、吉川のなまず料理は有名なのか」をスライドを使って説明してくれました。吉川は江戸川、中川に挟まれているため土地が肥沃で、万葉の昔からコメづくりが行われてきました。そして江戸時代、米や塩、野菜などの物資を江戸に運ぶ水運の拠点になり大いに栄え、大勢の人でにぎわう地となりました。人々の舌を楽しませたのが、川魚料理だったのです。中でも、なまずの天ぷらとたたきは、人気料理として永く受け継がれてきました。

 さあここで、ビッグゲストのご登場です。子供たちに天ぷらをご提供くださったますやさんのご主人、横川さんが直接メッセージを伝えに来てくださったのです。

 横川さんは、なまずの天ぷらの魅力を一通り語ってくださったあと、「なまずの天ぷらは、長く吉川内外の人に愛されてきた大切な郷土料理です。ぜひ、皆さんに味わってほしいと思います。」と子供たちに語り掛けてくださいました。

 さあここで、斉藤先生から驚きの一言が!「実は皆さん、今日の給食に、ますやさんのなまずの天ぷらが出ます!みなさん、楽しみにしてくださいね!」子供たちからは、「おおー!」と感嘆の声が上がりました。

 集会が終わるころ、揚げたての天ぷらが学校に到着しました!ますやさんのスタッフの皆様が、子供たちのために心を込めておつくりいただいたなまずの天ぷらを、学校に届けてくださいました。

 待ちに待った給食の時間。なまずの天ぷら、いよいよ試食です!教室を訪れると、子供たちから「おいしーい!」「さっくさくだー!」「なまずって、こんなにおいしかったの~!?と大絶賛の嵐。中には「ますやさんに、食べに行くー!」など、たくさんの子供たちが、なまずの天ぷらのおいしさに感動していました。よかったー!

 ますやさんは、創業200年もの老舗です。その名店のスタッフの皆様が、心を込めてつくってくださったなまずの天ぷらは、子供たちの心をがっちりつかんでくれたようです。

 吉川は、川の恵みとともに発展してきたまちです。それゆえ、なまず料理は人々に大切に受け継がれてきました。これからその伝統を受け継ぐのは未来を担う子供たちです。なまず料理の試食を通して、吉川をもっともっと好きになってほしい。そのために今日の食育なまず集会を企画しました。

 そして、来年は北谷小は50周年となります。令和6年度は、北谷小創立50周年記念式典を開催したいと考えています。吉川には、なまずのほかにも素晴らしいものがたくさんあります。子供たちには、それらを調べて、今日の3年生のように保護者・地域の皆様に発表してもらいたいと考えています。今日のなまず集会をそのきっかけにしたいと考えています。

 大変お忙しい中、子供たちへの講話と、全校児童分のなまずの天ぷらづくりを快く引き受けてくださった横川さん、本当にありがとうございました。ますやさんの皆様のおかげで、子供たちにふるさと吉川をもっと好きにさせることができたと思います。

 また、子供たちのアレルギー事前調査にご協力くださった保護者の皆様、大変ありがとうございました。

 

 

 

 

 

3年生 消防自動車見学

 日中の気温が20度になり、暦の上では「大雪」ということを忘れそうな陽気です。

 3年生が吉川松伏消防組合の皆様をお呼びして、消防車体験を行いました。2台の消防自動車、1台の救急車が並ぶのは壮観の一言です。

 さっそく、子供たちに説明していただきました。「はい、消防自動車に乗ったことある人!」「はい!」「意外と多いねえ(汗)。そう、救急車の出動はとても多くなっています。みんな、くれぐれも事故やけがに気を付けてください。」「はーい!」

「さあ、これが救急車の中です。」「わあー!!」「すごーい!!」「これがAEDですね。心臓の動きに異常があるときにこれを使って、救助します。」「知ってるー!」

 ここで、緊急事態が発生しました。救急車と消防自動車に出動要請がかかったのです。「皆さん、ごめんなさい。残った消防自動車で勉強してください。」「はい、がんばってください!」子供たちの声援を受けながら、消防自動車は現場に向かいました。「生」出動!これをみられたのも、貴重な体験でした。消防自動車も、救急車も、いつなんどきスクランブルがかかるかわからないのですから。

 さあ、学習は続きます。こちらは、消防服試着体験。小さいながらも、その重さ、暑さにびっくり。

 小さいながらもかっこよくて立派な消防士さん、誕生!敬礼!

 それ以外にも、大変親切にご説明をいただきました。子供たちも感心することしきりでした。

 少し時間があったので、消防士さんが子供たちから質問を受けてくださいました。「朝、何時に起きるんですか?」「5時30分ですよ。7時には出動します。」「早い!」「好きな食べ物は何ですかー?」っておい、それ消防のお仕事に関係が・・・。

 興味をひいたのは、次の質問です。「好きな色は何ですかー?赤ですか?」「そう!消防自動車の色ですから。でも、あれは赤じゃないんです。」「えーっ?!」「あれはね、朱色なんですよ。みんな、朱って知ってる?」

 なるほど、日本では古来から朱は厄を祓う色。納得です。

 最後に、お世話になった消防組合の方にお礼をしっかり述べました。「ありがとうございましたー!」

 第一線で働く方の言葉。本物の消防自動車や救急車。本物が与える感動と資料的価値は、教科書も、ICTの動画資料も、足元にも及びません。私たちの安全な生活は、こうした方々ががんばってくださっているから成り立っているということを子供たちに理解させることができたと思います。

 吉川松伏消防組合の皆様、お忙しいところ貴重な体験をご提供くださり本当にありがとうございました!

 

国語の授業研究会を実施しました

 昨日と変わり、今日も日中は過ごしやすい暖かさになりました。

本日、東部教育事務所および市教委の指導主事の先生方を講師としてお招きし、全学級で国語科の研究授業を行いました。本校では、兼ねてから国語の学力が全般的に市の平均よりやや劣る傾向があります。国語の「読む力」「書く力」「伝え合う力」はすべての教科学習の基本となります。それゆえ、国語の力を付けることは、教科全般の学力を押し上げることが期待できます。それゆえの国語科の授業研究となります。

 2、3時間目は公開授業、4,5時間目は研究授業を行いました。研究授業は4年1組と6年1組が担当しました。

 4年1組は、「プラタナスの木」の読み取りを行いました。どこにでもいそうな男の子「マーちん」が、公園でおじいさんと出会ったことをきっかけに、自然に対するものの見方が変わり、一歩ずつ成長していく物語です。

 では、そのマーちんのものの見方が変わったきっかけは何か。どこの場面か。そしてその根拠は。読む視点を明らかにして、自分の意見をまとめた後、話し合いをして意見を深めていきました。

 プラタナスの木の原作は、椎名 誠さんです。「モチモチの木」や「ごんぎつね」のように、大きな出来事がある作品ではありません。だからこそ、多様な解釈も可能です。子供たちは、思い思いの考えをワークシートに書き込み、互いに意見を交流させました。一人一人が確かな根拠に基づく考えを書いていたことにとても感心しました。

 6年生は、狂言「柿山伏」です。室町時代につくられたこの物語は、権力者に対する皮肉がコミカルに描かれています。その笑いは、700年たった現在でもなお通用するものがあるのは驚くばかりです。子供たちは原作の文章をしっかり読み取り、この狂言の面白さを伝えるためにはどのように表現したらよいかを話し合い、今日に臨みました。

 子供たちの音読劇の完成度が、素晴らしかった!まず感心したのが、多くの児童が難しい言い回しの表現を暗記していたことです。また、練習を通じて、意見を交わし合い、「ここはもっと表情付けた方がいいよね」「大きな声の方が伝わるよ」など、劇をよりよくするための話し合いを生き生きと行っていました。体育館全体が活気にあふれ、みな狂言の面白さ、楽しさを存分に味わい、アレンジを加えていました。

 どちらの授業も、「なんのために読むのか」「どの表記に注目したらよいのか」という視点を明らかにして、子供たちの主体的な学習を促し、よい成果を得ることができました。ご指導いただいた指導主事の先生方にも大いに評価していただきました。

 おりしも日本の15歳の子供の読解力が、OECD参加81国中3位に上昇したという嬉しいニュースがありました。北谷小は、これからも継続して子供たちの国語の力を伸ばし、「あ、国語って、けっこう楽しいかも。」という学習意欲を高めていきたいと思います。